2016 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロリアクター設計手法の構築と精密合成反応プロセスへの応用
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15J00287
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅野 周作 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロリアクター / 反応速度解析 / 高分子合成 / ナノ粒子合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究全体の最終目標は、マイクロリアクターの設計法を体系化し、高機能化学製品の高効率合成に応用することである。前年度は主に前者の研究を行い、マイクロリアクター中の混合の評価および及びミキサーの設計法について取り組んだ。今年度は、主に後者の応用部分について検討を行った。高分子合成や貴金属ナノ粒子合成を対象とした。高分子合成では、厳密な反応時間制御の下で等温での実験を行い、反応機構の解明をまず行った。そののち、所望の製品を得るための温度や濃度の制御方法を速度論的に検討し、それを実現するマイクロリアクターの設計と合成を行った。貴金属合金ナノ粒子の合成では、白金族の4元素(Pt, Pd, Rh, Ru)を対象とし、それぞれについて前駆体の金属塩をアスコルビン酸もしくは水素化ホウ素ナトリウムで還元することにより、ボトムアップ法での湿式合成を行った。2種の金属を合金化することを所望する場合、それぞれの金属塩を時間差なしで同時に還元することが必要であること、そのためにはマイクロリアクターを用い、瞬時に昇温や混合を行うことが効果的であることを明らかとした。実際に迅速昇温により、バッチ式のリアクターでは作成できなかったPt-Rhの合金粒子を作成し、迅速混合によりPt-Pd, Rh-Pdの合金粒子を作成することに成功した。作成した合金粒子の触媒活性を、一酸化炭素の酸化反応を用いて検討したところ、それぞれの単一組成の商用触媒と比べて高い活性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
順調に結果が得られ、成果を多数の国内および国際学会で発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年の6月まで米国マサチューセッツ工科大学のKlavs Jensen教授のもとへ留学している。Jensen教授はマイクロリアクターを用いた薬剤製造・化学システム設計の第一人者である。留学中にこれまでの行ってきた基礎研究の応用展開について指導を受け、より実践的な形で発展させていきたい。
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Research Products
(7 results)