2015 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロからマクロまでのスケールを統一的に扱える「界面」現象理論と解析手法の構築
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15J00778
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 卓也 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | マランゴニ対流 / 微小スケール / 数値シミュレーション / VOF法 / Langevin方程式 / 熱・物質輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的はマクロスケールからメゾスケールまでのスケールにおいて、「界面」現象であるマランゴニ対流とメゾスケールで顕著となる現象の大きさを定量評価し、一般化することである。本年度はこれを達成するために、以下の研究を行った。 ミクロからマクロまでのスケールを統一的に扱える数値シミュレーションモデルの大枠を構築した。初めに、ミクロスケールで見られる分子による熱揺動の影響をマクロな混相流の数値流体シミュレーションモデルに加え、混相流の数値シミュレーションモデルの開発を行った。この際に、混相流モデルとして既存のマクロスケールで用いられているVolume of Fluid法をベースに混相流モデルを構築した。Volume of Fluid法を用いる場合には高精度化のため、Level Set法と組み合わせたCLSVOF法の数値シミュレーションコードを開発した。さらに、微小スケールにおける物質輸送のために離散的にLangevin方程式と連成し、ミクロスケールでの離散的な手法とマクロスケールでの連続的な手法の連成を行い、メゾスケールにおける数値シミュレーションまでを解析できるように大枠を作成した。 さらに、このシミュレーション手法を用いて数値シミュレーションを行い、実際にマクロスケールでの現象を計算できるかどうかを確認した。この計算でマクロスケールでの現象を正確に計算することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数値シミュレーションモデルの作成に関しては順調に開発を行うことができた。初年度にマクロスケールでのモデルを基にミクロモデルを加えるという方法で本研究に取り組み、マクロスケールでの現象を包含しながらミクロスケールの影響を取り込める大枠の方法論を確立した。故に、これからミクロモデルを追加していくための基盤ができているため、容易にミクロモデルを導入することができる。これは、今後研究を進める上でも非常に重要であり、順調に進展していると考えられる。 さらに、この結果を国際学会で発表した結果、selected paperにも選ばれ、注目を浴びた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で説明したように、これまでに全体の枠組みとしての数値解析手法の構築を終えた。マクロスケールでの現象との比較・検証も終えたため、今後はミクロモデルの導入と検証を行う必要がある。 そこで、今後は微小スケールでの数値モデルの構築に取り組む。具体的には、微小スケールでのモデルを導入するために連成した離散的な手法に、分子間の力を加えることで、実際にミクロスケールでの現象を取り込んでいく。
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Research Products
(7 results)