2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15J00810
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒多 穂波 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 自由意志 / 随意運動 / デフォルトモードネットワーク / 安静時fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの自由な意図が生じる際の神経基盤については、その発生源や背景的神経活動との関連など不明な点が多く、未だにその詳細は不明である。そこで本研究では、自由な意図に関する神経基盤の一端を解明することを目的とした。 今回は自由な意図に基づく行動の最もシンプルな形のひとつとして、「自由なタイミングでおこなう単純な運動」に的を絞り、この運動課題に関連した脳活動を調べた。近年ではノイズとして見逃されがちな神経の自発的な活動が意図を決定する際にも関与していることが示唆されており、また脳機能を領域ごとにではなくネットワークとして理解しようという考えが盛んになってきている。このような観点から、脳内の安静時ネットワークを抽出して検討する必要があり、そのためにはfMRIによる脳活動の撮像が適していると考え、当初の予定であった脳波計測をおこなう前に、運動課題をおこなっている被験者の脳活動をfMRIで撮像した。 安静時の脳活動の自発的なゆらぎと自由な意図の関係性について明らかにするため、デフォルトモードネットワーク(DMN)等の脳内ネットワークを、独立成分分析により抽出して運動のタイミングとの関連を検討した。その結果、運動のタイミングとDMNの位相のあいだには関連性が見られた。また、DMNや運動のネットワークと運動のタイミングの関係について、タイミングが自由な場合と合図がある場合では異なる傾向が見られた。これらの結果は背景的な脳活動と運動をおこなおうという意図の発生の関連を示唆するものである。さらなる解析・実験により、自由な意図の発生の解明に近づくことが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに15人の被験者に対してfMRIによる撮像をおこなった。得られたデータから脳内の安静時ネットワークを抽出しDMNなど複数のネットワークを同定して運動のタイミングとの関連性を見出すことができ、意図が発生する際の神経基盤について順調に検討できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず得られているデータにおいてDMNや運動以外のネットワークも併せた検討やグループ解析をおこなう予定である。その過程で必要が出てくれば追加実験をおこなう。また、fMRIによって得られたデータをもとに、さらに詳細な経時的変化を調べるため時間分解能に優れた脳波計測もおこない、より詳細に自由な意図の神経基盤について検討していく予定である。
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