2017 Fiscal Year Annual Research Report
コマチアイトの含水融解実験による初期地殻組成の解明
Project/Area Number |
15J01025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 望 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 冥王代 / 地殻 / 主成分元素組成 / 高圧融解実験 / コマチアイト |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度、私は太古代岩石の142Nd/144Nd比の異常から、冥王代珪酸塩分化の融解条件を温度1750°C、圧力7 GPa、部分融解度3.2%以下と推定した。そして、Kondo et al. (2016)とWalter (1998)のマントルカンラン岩融解実験データから、メルトの主成分元素組成をFeO、TiO2, P2O5に豊むコマチアイト質と推定した。そして、このメルトの密度を主成分元素組成とMatsukage et al. (2005)の手法を使って計算し、このメルトはマントル岩石よりも小さな密度を持つことを明らかにした。よって、このコマチアイト質メルトはマントル中を上昇しコマチアイト質一次地殻を形成したと考えられる。 そして、この冥王代一次地殻の部分融解により冥王代二次地殻が形成したことが冥王代ジルコンの初生177Hf/178Hfから示唆されている。本年度は昨年に引き続き、含水したコマチアイト質冥王代一次地殻の組成を合成した出発物質を、ピストンシリンダー型高圧発生装置を用いて部分融解させる実験を行なった。実験条件はより高圧条件まで拡張し、圧力1-5 GPa 、温度1000-1300 °C、含水率1.5%、酸素フガシティNi-NiOバッファーで行なった。各温度圧力で生成したメルトの主成分元素組成は苦鉄質で、さらにTiO2, P2O5に富むことがわかった。そして、この主成分元素組成から含水苦鉄質メルトの密度をUeki & Iwamori (2016)のソフトを用いて計算し、結果として、TiO2とP2O5に富んだ含水苦鉄質メルトは冥王代のリソスフェアよりも小さな密度を持つことがわかったため、含水苦鉄質メルトは上昇し、苦鉄質でTiO2, P2O5に富んだ二次地殻を形成していたと考えられる。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)