2015 Fiscal Year Annual Research Report
酵母新規応答型プロモーターの開発によるアルギン酸からの効率的なエタノール発酵
Project/Area Number |
15J01303
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高木 俊幸 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 酵母 / アーミング技術 / 細胞表層工学 / 海洋バイオマス / 褐藻 / Saccharophagus degradans / 定量プロテオーム解析 / アルギン酸リアーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
①Saccharophagus degradansの定量プロテオーム解析とアルギン酸資化経路予測 これまでの研究で行った定量プロテオーム解析の結果を踏まえて、S. degradansのアルギン酸資化経路の予測を行った。特に、アルギン酸分解単糖であるDEHを資化するための最初の酵素であるDEH reductase(DehR)を同定するために、DehR候補遺伝子の大腸菌での異種発現系を構築し、DehR活性検出に成功した。さらに、S. degradansのゲノム情報を活用することで、DEHからピルビン酸まで代謝経路を予測した。 ②Endo型・Exo型アルギン酸リアーゼ共提示酵母とDEH資化酵母の作製 S. degradans由来Endo型アルギン酸リアーゼとExo型アルギン酸リアーゼを一つの酵母の細胞表層に提示させるためのプラスミド構築を行った。それぞれのタンパク質をFLAG tag及びStrep tagと融合発現することで、Endo型・Exo型アルギン酸リアーゼが一つの酵母の細胞表層に提示されていることを確認した。さらにpHや温度などの反応条件を最適化することで、Endo型・Exo型アルギン酸リアーゼ共提示酵母によるアルギン酸の効率的な分解に成功した。 DEH資化酵母作製のために、プロテオーム解析と代謝酵素機能解析によって同定に成功したS. degradans由来のDEH代謝酵素遺伝子を酵母に異種発現させた。DEH代謝酵素遺伝子は酵母にコドンを最適化して、プロテインタグと融合発現した。さらに、これまでの報告を参考にして、DEHトランスポーター遺伝子を人工合成し、EGFPと融合発現することで細胞膜への局在を確かめた。現在、DEHトランスポーター及び代謝酵素遺伝子をすべて一つの酵母に導入後、DEHを唯一の炭素源とする培地で培養することで、DEHを資化することを確かめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初予定していたEndo型・Exo型アルギン酸リアーゼ共提示酵母の作製を完了した。また、DEHトランスポーター及びDEH代謝酵素遺伝子を全て一つの酵母にゲノム挿入し、機能解析した。
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Strategy for Future Research Activity |
作製した酵母を用いて、アルギン酸からのエタノール発酵を行う予定である。生育阻害などが確認された場合、当初の計画通りストレス応答性のプロモーター開発によって細胞ストレスを制御するシステムを構築する予定である。
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Research Products
(5 results)