2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15J01771
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川名 清晴 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | ヒッグス / 自然性問題 / 重力 / 行列模型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に2つの課題について研究を行った。 (1)多重局所場理論に基づく自然性問題解決へのアプローチ 2012年のヒッグス粒子の発見を契機に、Froggatt-Nielsen機構と呼ばれる原理が注目を集めるようになった。その起源については分かっておらず、今のところ原理の現象論的な応用が盛んに議論されている現状である。私は多重局所場理論と呼ばれる理論がその起源になり得ることを示した。これまでの研究により多重局所場理論が統一理論候補である行列模型から導出出来ることは示されているので、本年度の結果は行列模型が重力の統一に加え自然性問題も解決する可能性があることを示唆している。より具体的には、Froggatt-Nielsen機構における分配関数と多重局所場理論における分配関数が一致することを私は示した。 (2) 行列模型に基づく重力の起源の研究 行列模型は弦理論の非摂動的定式化として知られている。後者は重力を含むので、前者にもそれが含まれていることは間違いないはずだが、「行列」という単純な自由度の中にそれがどう含まれているかは分かっていない。それに対し、2000年前後から行列模型を4次元時空上の非可換ゲージ理論と解釈する見方において、そのゲージ場が重力場と等価ではないかという話が出てきた。今のところこの対応関係の証明はされておらず、重力の量子論の可能性の模索という観点から、この話が本当に正しいかどうかの検証をする必要がある。その最初のstepとして、物質場のゲージ場を媒介する散乱振幅を調べた。結果として、一般的にはその散乱振幅は通常の重力場を媒介する散乱振幅とは一致しないことが分かったが、非可換性を平均化し、有効的に無くしてしまう操作をすれば正しい振幅が得られることが分かった。この結果は、平均化の妥当性さえ示せれば非可換ゲージ理論が重力の起源となり得ることを示唆しており、興味深い。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)