2016 Fiscal Year Annual Research Report
超分子キラリティ伝播に基づく有機酸化還元系の機能開発
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15J01934
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂野 優斗 北海道大学, 総合化学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 酸化還元 / キラリティ / キラルメモリー / エレクトロクロミズム / ハロクロミズム |
Outline of Annual Research Achievements |
外部刺激に対して、その物性を可逆的に変化させる応答性分子は、分子デバイスとして応用できることから多くの研究がなされてきた。例えば、電位の入力に対応して物質の色調が変化する現象はエレクトロクロミズムと呼ばれ、調光材料や表示機能への応用がすでになされている。これまで研究代表者は2電子授受によって劇的な色の変化を示すエレクトロクロミズム系として、ジベンゾテトラアリール-p-キノジメタンを開発した。ここで、アリール基は電子供与性の4-メトキシフェニル基である。今回は、このキノジメタンを複数個、キラルスペーサーで連結した化合物群を設計し、そのキラルメモリーとしての挙動を調べることとした。 2位にエステル基を持つ誘導体をユニットとし、キラルなジオールとの反応での合成を計画した。基本骨格の2-メトキリカルボニル化合物は、対応するアントラキノンを出発物とし、ビス(ジブロモメチレン)化の後、4重のSuzuki-Miyauraカップリング反応を用いて合成した。このものでは、電子求引性置換基存在してもジカチオンが安定に取り出せること、また母体と類似のクロミズム応答を確認した。次いでカルボン酸へ導き、α,α’―ジヒドロキシキシレン類との反応で、ダイマー構造体が合成できた。酸化還元電位の測定からは、2つのジベンゾテトラアリール-p-キノジメタンユニットが独立に電子授受を受けることが示され、また、類似のクロミズム応答とテトラカチオン体が安定に取り出せることを確認した。今後、キラルなスペーサーを用いた系へと展開予定である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Redox-induced conformational changes in 1,3-propylene- and m-xylylenebis[5-(10-butyl-5,10-dihydrobenzo[a]indolo[2,3-c]carbazole)]: Twin-BIC donors that form sandwich-like dimeric cations exhibiting NIR absorption2016
Author(s)
T. Suzuki, W. Nojo, Y. Sakano, R. Katoono, Y. Ishigaki, H. Ohno, K. Fujiwara,
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Journal Title
Chem. Lett.
Volume: 45(7)
Pages: 720-722
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research