2015 Fiscal Year Annual Research Report
都市構造リスク低減を考慮した都市の集約化に向けた一考察
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15J02048
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
森 英高 筑波大学, システム情報工学研究科, 特別研究員(DC1)
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2015-04-24 – 2018-03-31
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| Keywords | 都市構造 / 縮退 / 集約 / 不安 / リスク |
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| Outline of Annual Research Achievements |
・2015年8月30日・31日の2日間にわたり開催された第35回交通工学研究発表会にて「不安軽減という観点から見た予約型移動サービス運行に関する一考察」というタイトルで発表を行った。本論文は、“都市構造リスク低減”に向けて、予約型移動サービスの導入前後における居住者意識の変化についてまとめている。なお本発表での指摘を踏まえ、交通工学論文集・特集号【審査付き論文】へ再度論文を投稿し、修正要求に対応後、「日常生活における不安の軽減という観点から見た予約型移動サービス運行に関する一考察」というタイトルで交通工学論文集・特集号に掲載された。
・2015年11月14日・15日の2日間にわたり開催された第31回日本不動産学会学術講演会にて「居住者の不安認識にみる被災地高台の地価上昇に関する一考察－公示地価上昇率最高値のいわき市泉地区を対象に－」という題目で発表を行った。本論文は、“都市構造リスク低減”の1つの観点として居住者の不安に着目し、東日本大震災被災地における居住者の不安の変化について言及したものである。
・2015年11月21日～23日の3日間にわたり秋田大学で開催された第52回土木計画学・秋大会にて「中山間地域でのモビリティサービス充実による居住者意識の変化」というタイトルでポスター発表を行った。なお本発表でのご指摘を受け、本論文に修正を加えた「中山間地域での複数モビリティサービス実施時における居住者利用意向に関する一考察」を、土木学会論文集D3【審査付き論文】に現在投稿中である。
・研究課題にある“都市構造リスク”の低減策として有効であると考えられる、中山間地域の公共交通やスクールバスに着目した「学校統廃合を契機としたスクールバス導入に対する利用意向調査-中山間地域のモビリティに対する不安軽減という観点から-」を執筆し、日本都市計画学会一般論文【審査付き論文】に投稿中である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度においては審査付き論文２本の掲載が決定し、現在も２本の審査中の論文がある。また、学術的な場での発表も多数行っており、その一部はOutstanding Presentation Awardという形で表彰を受けた。
その他にも「都市構造リスク低減を考慮した都市の集約化に関する一考察」に関する内容のブラッシュアップとして、島根県中山間地域研究センターにて他大学等の有識者との意見交換も積極的に行っている。
また、自身の研究の中で対象地となる可能性の高い、都市計画区域全体で市街化区域と市街化調整区域の線引きを撤廃した日本でも実例の少ない都市である、宮崎県都城市への現地調査を実施した。その中で、過去・現在の都市計画図を重ね合わせ、線引き撤廃の効果や撤廃後の土地利用の実態把握を行い、定量的な分析だけでなく、その結果が現地の実態に即しているか確認し、考察を深めている。
学内での「研究計画発表会」においても、「様々な切り口があり、取り組みが難しい研究課題に対して積極的に研究活動に臨み、成果を得ようと努力をしている」という評価を得た。
今後は上記成果に加え、平成28年度の成果を合わせ、それら複数の成果をまとめる枠組みの部分で博士論文としてオリジナリティを出し、博士論文にふさわしい重みのある準備ができるよう研究生活を進めていく予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
・研究課題にある「都市の集約化」について、現在一定の人口集積がみられる「人口集中地区（DID）」や「都市計画区域」を対象に、その集積実態や経年的変化を、国土数値情報等の統計データを基に把握し、集約・縮退の傾向を数量的に分析している。なお、上記内容を現在日本都市計画学会審査付き論文投稿に向けて執筆中である。
・研究課題としている「都市の集約」や「都市の縮退」はプロセスであり、短期的な分析のみではその実態や発生要因を把握することが困難であることが予想される。そのため、既存の電子統計データだけではなく、古地図や紙ベースの資料を活用することで、より長期的な都市構造の変遷を把握し、その中で「都市の集約」「都市の縮退」が発生しやすい場所やその要因について定量的にまとめていく必要があると考えている。
・上記実態を踏まえたうえで、どの様な「地域」で、どの様な「手段」を用いて集約・縮退に対応していくのか（集約・縮退しない、という選択肢も考慮する必要性があると考えられる）、検討する。
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