2016 Fiscal Year Annual Research Report
準周期をもつ光格子系で実現するトポロジカル相の解析
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15J02158
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 冬樹 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 準周期系 / トポロジカル絶縁体 / 冷却原子系 / 重い電子系 / 密度行列くりこみ群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、準周期系に相関効果を取り入れた場合の影響について、トポロジカルな性質に着目して物性を明らかにすることを目的としている。昨年度に引き続き、以下の2点について解析を行った。 (i)相互作用のある準周期系。 近年、準結晶における重い電子系が注目を集めている。以前我々は相互作用のある準周期系として、1次元近藤格子模型にハーパー模型的なオンサイトポテンシャルの変調を加えた系を考え、トポロジカルな端状態が出現することを確認し、交換相互作用Jの大きさを変えると端状態の数が次々と変わっていくことを明らかにした。また、変調の波長を格子の偶数倍にした系では、変調の位相を変えてプロットすることでディラックコーンのような構造が現れた。今回、この系がいわゆる2次元ワイル半金属に相当する相になっており、その起源となるトポロジカル数を定義し、これがワイル半金属におけるトポロジカル電荷に相当していることを明らかにした。これは、これまでの動的トポロジカル相では見られなかった新しい現象である。 (ii)光格子の高い自由度を活かした新たなトポロジカル相。 光格子中の冷却原子系における新たなトポロジカル相の実現方法の提案として、2次元正方格子系に正方格子の軸に対して斜めに傾いた直線状の引力ポテンシャルを加えた量子系を考察した。これらのトポロジカル相は弱いトポロジカル絶縁体になっており、weak Chern数の組で特徴付けられる。また、3次元立方格子系に斜めに超格子ポテンシャルを加えた系についても解析し、4次元のHofstadter butterflyと呼べる構造が現れることを示した。また、この系におけるweak Chern数の組は量子ポンプにおけるポンプされる粒子の数と対応すると考えられるが、時間依存シュレディンガー方程式を解くことで、実際に粒子がポンプされるときのダイナミクスの解析を行った。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)