2016 Fiscal Year Annual Research Report
Fermi原子気体超流動の熱力学的性質から探る秩序と揺らぎの競合
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15J02514
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田島 裕之 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 超流動フェルミ原子気体 / BCS-BECクロスオーバー / 熱力学的性質 / 量子揺らぎ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、絶対零度近傍のBCS-BECクロスオーバー領域におけるs波超流動Fermi原子気体の熱力学的性質に対する強結合補正の影響を調べた。絶対零度近傍では、熱揺らぎが抑制され、強い粒子間引力相互作用による量子揺らぎの影響が残る。本研究では、強い超流動揺らぎ及び超流動秩序が競合するユニタリー領域においてこれらの影響が観測可能な熱力学量にどのような形で現れるかに着目した。 東京大学の実験グループとの共同研究を通じ、弱結合BCS領域からユニタリー極限にかけて高精度に測定された化学ポテンシャル、内部エネルギー、圧力、圧縮率、音速、Tanコンタクトが、本研究において開発した強結合理論である超流動相の拡張型T行列理論によってほぼ完璧に説明されることが明らかとなった。本研究では、超流動揺らぎの効果を理論に取り込み化学ポテンシャルを高い精度で計算、それが実験とよく一致することを確認した後、熱力学関係式のみを用いて化学ポテンシャルから圧力、内部エネルギー、圧縮率、音速、Tanコンタクトの計算を行った。こうして得られた熱力学量は、先行研究における測定結果とも非常によく一致しており、これにより本研究成果の妥当性を確認することができたとともに、絶対零度近傍の熱力学量に対する量子揺らぎの影響は超流動揺らぎが支配的であることがわかった。また、超流動秩序パラメータの計算結果もフィッティングパラメータを用いずに実験結果とよく一致しており、本研究のアプローチによって初めて超流動秩序と超流動揺らぎ両方の効果を同時にかつ定量的に扱うことが可能となった。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] 基底状態にある超流動フェルミ原子気体に対する強結合補正2017
Author(s)
田島裕之, Pieter van Wyk, 花井亮, 鏡原大地, 猪谷太輔, 堀越宗一, 大橋洋士
Organizer
新学術領域「中性子星核物質」主催第5回ウィンタースクール・研究会「中性子星の核物質」
Place of Presentation
福住旅館 (福島県・福島市)
Year and Date
2017-02-16 – 2017-02-18
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