2016 Fiscal Year Annual Research Report
在日朝鮮人の生活権をめぐる政治:「解放」直後における経済違反と生活共同体
Project/Area Number |
15J02784
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
李 杏理 一橋大学, 大学院言語社会研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | ジェンダー / 生活 / 共同体 / 経済違反 / 統制 / 人種 / 食 / ライフヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず生活共同体とジェンダー関係に着目するため、5月に川崎の在日朝鮮人高齢女性のインタビュー調査を行った。それに基づき「解放」直後の渡航と労働を具体的に考察することができた。その成果として、6月に在日本朝鮮人人権協会全国研究交流集会にて発表した。 さらにジェンダーと帝国研究に関わる研究史をさぐるため、9月にニューヨーク市立大図書館にて研究を行った。その成果は同月にまず上記在日本朝鮮人人権協会の公開講座で発表し、そして当初の予定通り1月にジェンダー史学会に論文「脱植民地と朝鮮女性たちの反乱:「解放」後の濁酒闘争からみるジェンダー」として投稿し受理された。 また、米国で得た黒人の人種理論・犯罪研究の知見と在日朝鮮人研究の比較史を試み、戦中の朝鮮人による経済違反の分析を深めて、2月に衣食住文化からみた解放前後の日韓関係研究会にて「1939-1946年の経済統制と朝鮮人犯罪言説について」という報告をした。その内容は同志社大学の紀要および博士論文に反映する。 さらに、今年度出版予定の『フードスタディーズ・ガイドブック』(ナカニシヤ出版)に申請者の研究と関わりの深い著書(伊地知紀子『消されたマッコリ』)の書評論文を執筆し、掲載が決定された。この内容が博士論文における先行研究分析の主要な部分に反映される。 また当初の計画通り『布施辰治弁護関係資料』のうち経済違反関連資料を購読し、必要部分をデータ化した。同裁判資料は、他の警察資料や団体資料にはない仔細な情報が記載されており、研究史上も本格的に扱われてこなかったため、史料分析は貴重なものとなる。また、自費にて7月に秋田県、11月に福岡県の現地踏査を行い、2月に関西地方にて地方資料を拾得した。その際に、京都在住の在日朝鮮人女性高齢者にインタビュー調査を実施し、研究対象期の生業および生活共同体の細部を聞き取り、映像記録を採取した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)