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2015 Fiscal Year Annual Research Report

修正重力理論に対する高次元モデルへの埋め込みによる新たなアプローチ

Research Project

Project/Area Number 15J02795
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

山下 泰穂  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2015-04-24 – 2017-03-31
Keywords重力理論 / 修正重力理論
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、近年発見され注目されている、計量を二つ持つ重力理論で、ゴースト呼ばれる問題を持たない、HR bigravityと呼ばれるモデルと、高次元重力理論であるブレーンモデルとの対応を明らかにすることである。
平成27年度には、前年度までの研究によって得られた知見を基に、DGP 2-ブレーンモデルを考え、二枚のブレーン上の計量がほぼ等しいセットアップを選び、このセットアップの下で四次元有効理論の作用を導出することによって、HR bigravityの導出を試みた。その結果、得られた作用の重力子間の相互作用はHR bigravityの二つの計量がほぼ等しい極限のものと一致し、自由度として二つの重力子と一つのラディオンと呼ばれる、ブレーン間の距離に対応するスカラー自由度を持つ有効理論が導出できることが示せた。。
また、前年度までの研究において、HR bigravityにおいて両方の計量が結合する物質場(doubly coupled matter)を導入すると、再びゴーストの問題が現れることを示した。一方で、ブレーンモデルではラディオンがゴーストなしに二つの重力子に結合できるため、ブレーンモデルの観点からこの問題を解くことができると期待される。平成27年度の研究では、DGP 2-ブレーンモデルのラディオンはどのようにしてこの問題を回避しているかを調べた。その結果、二枚のブレーン上の計量がほぼ等しいセットアップが選ばれているため、ラディオンは実効的に唯一つの計量に結合している形をとり、DGP 2-ブレーンモデルの有効理論としてのbigravityにおいてはdoubly coupled matter問題が存在しないことがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当該年度の研究において、DGPブレーンモデルを用いたHR bigravityの導出が成功したものの、その適用範囲は非常に限定的なセットアップに限られている。当初は、このようにセットアップが限定されることを避けるため、高次の曲率を含む自己相互作用の導入をまず第一に試みる予定だったが、そのようなモデルは解析が非常に複雑となる。そこで、当該年度の研究では、これに先んじて限定的なセットアップ下においてDGPブレーンモデルからHR bigravityが導出できるか否かを確かめることにし、導出のアウトラインを確立することに成功した。順序は前後したためにやや進捗が遅れているものの、当該年度の研究においてHR bigravityを導出するまでのアウトラインを示せたことは、より一般のセットアップにおいてHR bigravityの導出を試みる今後の研究を非常にスムーズにすると期待される。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究で得られた結果は、DGPブレーンモデルを用いたHR bigravityの導出という方針について肯定的なものであったが、その適用範囲は2つの計量がほぼ等しい場合に限られていた。今後の研究では、この点についての拡張を試みる。つまり、2つの計量が異なる場合にHR bigravityが得られるかどうかを検証する。
これまでの研究の適用範囲が限定される理由は、DGPブレーンモデルにおいて、ラディオンまたは重力子がゴースト化することを防ぐため、二枚のブレーン間の時空の曲率が極めてゆるやかでなければならないためであった。時空の変化が少しでも急激になるとラディオンがゴースト化してしまうことは、時空の計量とラディオンが強く結合していることに起因している。そこで、高次の曲率を含む自己相互作用を導入し、計量の自己相互作用を実効的に大きくすることによってラディオンとの結合を相対的に弱める。このセットアップの下でラディオンのゴースト化が回避できるか、さらにその四次元有効理論としてHR bigravityが得られるかを明らかにする。

  • Research Products

    (4 results)

All 2015

All Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results,  Invited: 1 results)

  • [Presentation] Bigravity from gradient expansion2015

    • Author(s)
      Yasuho Yamashita, Takahiro Tanaka
    • Organizer
      2nd LeCosPA International Symposium
    • Place of Presentation
      台北
    • Year and Date
      2015-12-17
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] Bigravity from gradient expansion2015

    • Author(s)
      Yasuho Yamashita, Takahiro Tanaka
    • Organizer
      The 25th Workshop on General Relativity and Gravitation
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      2015-12-10
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Bigravity from gradient expansion2015

    • Author(s)
      山下泰穂、田中貴浩
    • Organizer
      日本物理学会秋季大会
    • Place of Presentation
      大阪
    • Year and Date
      2015-09-26
  • [Presentation] Bigravity from gradient expansion in DGP 2-brane model2015

    • Author(s)
      Yasuho Yamashita, Takahiro Tanaka
    • Organizer
      The 19th annual International Conference on Particle Physics and Cosmology
    • Place of Presentation
      ワルシャワ
    • Year and Date
      2015-09-07 – 2015-09-11
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2016-12-27  

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