2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J02806
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
豊田 峻輔 山梨大学, 総合研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 神経細胞 / 神経回路 / 運動学習 / 遺伝子制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳は回路特性や生理学的特性の異なる多数の神経細胞によって構成されており、並列分散的で高度な情報処理を行っている。近年我々は発生期のエピジェネティック修飾が神経細胞の個性化や回路形成に関与することを世界に先駆けて明らかにしたが(Toyoda et al., 2014, Neuron)、細胞系譜や誕生日との関連性や高次の脳機能への関与についてはあまり理解が進んでいない。そこで本研究では細胞系譜と局所回路、投射先との関連性について理解することを目的とした。まず、小脳の微帯構造と細胞系譜の両方を可視化するために、すでに樹立済みであるAldolase C-tdTomatoノックイン胚性幹細胞(ES細胞)にECFP遺伝子を導入し、クローンの単離を行った。その後、Aldolase C-tdTomatoのヘテロマウスの胚盤胞にES細胞を注入することでキメラマウスの作製を行った。今後は生理学的な解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キメラマウスの作製はほぼ完了しており、行動課題中における2光子イメージング解析が遂行可能な状況が整いつつある。また、ゲノム編集技術を用いた神経活動の操作についても計画が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は生後のマウスに対して行動学習の課題をさせ、その時の神経細胞における同一系譜の細胞の活動および微帯構造(誕生日)との関連性について2光子顕微鏡を用いて解析する予定である。また、オプトジェネティクスやゲノム編集技術を導入することで、大脳皮質などとの領域間における細胞同士の関係性についても解析する。また、ヒトの高次脳機能における遺伝要因についても解析可能か検証することを試みる。得られた結果は適宜取りまとめ、学会や論文にて発表を行う。
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Research Products
(3 results)