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2017 Fiscal Year Annual Research Report

アンリ・ベルクソンの哲学における個体化論の再構成

Research Project

Project/Area Number 15J02827
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

米田 翼  大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2015-04-24 – 2018-03-31
Keywordsベルクソン / ル・ダンテク / ジェニングス / シモンドン / アレクサンダー / 個体 / システム / 創発
Outline of Annual Research Achievements

(1)自然的システム論とその生物学的背景:①ル・ダンテクの老化理論への反論を通して練り上げられるシステムの「構成」に関する理論、②ジェニングスの微生物の行動学を参照しつつ、『物質と記憶』の感覚運動システムと『創造的進化』の自然的システムを接続することで提示される、システムの「行動」に関する理論、これらからベルクソンの自然的システム論=生物個体論を再構成した。本研究の意義は、これまで不明瞭であった生物個体という存在者に関するベルクソンの理論を理解するためのモデルを提示したことである。
(2)シモンドンとの比較研究:①ベルクソンとシモンドンは、個体化を連続的進展として記述するためにヴァイスマン遺伝に依拠しつつも、前者は個体に内在する遺伝的エネルギーに関する自説を通して、後者はフレンチ・ネオ・ラマルキズムの群体論に由来する個体-環境の理論を通して、これに修正を加える。②これに相関して、刺激-反応連合のデカップリングを、前者は刺激=入力と反応=出力との間の「遅延」の効果として説明し、後者は個体-環境のトポロジカルな関係の変容として説明する。本研究の意義は、シモンドンとのこうした相違点を明らかにすることで、ベルクソンの個体化論の内在主義的性格と、その射程および限界を明らかにしたことである。
(3)創発主義との関係:先行研究ではモーガンの哲学・心理学のうちにベルクソン主義的側面が看取されてきたが、①モーガンこそがベルクソンの心の哲学(特に表象の理論)の最大の批判者であること、②アレクサンダーの時空の形而上学の鍵となる「継起」や「神性」概念の練り上げにベルクソンからの本質的影響が見られることを明らかにした。本研究の意義は、これまで不透明であった20世紀初頭の英仏の哲学の交流の一端を明らかにしたこと、また、アレクサンダーを介してベルクソンを創発主義的に再読しうる可能性を示したことである。

Research Progress Status

29年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • Research Products

    (6 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results) Book (3 results)

  • [Journal Article] 自然的システムとしての生物――ベルクソンとル・ダンテクにおける個体性と老化の問題2018

    • Author(s)
      米田翼
    • Journal Title

      フランス哲学・思想研究

      Volume: 23 Pages: 刊行前のため未定

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 拡張ベルクソン主義を哲学史に位置づける:20世紀初頭イギリスにおけるベルクソン需要に焦点をあてて2018

    • Author(s)
      米田翼
    • Organizer
      日仏哲学会・提案型ワークショップ「拡張ベルクソン主義は何をなしえたか」
    • Invited
  • [Presentation] ベルクソンの進化論はいかなる進化論なのか:『創造的進化』第一章前半の読解を通して2018

    • Author(s)
      米田翼
    • Organizer
      ベルクソン哲学研究会
  • [Book] 個体化の哲学:形相と情報の概念を手がかりに(予定)2018

    • Author(s)
      ジルベール・シモンドン(著)、藤井千佳世(監訳)、近藤和敬・中村大介・ローラン・ステリン・橘真一・米田翼(訳)
    • Total Pages
      刊行前のため未定
    • Publisher
      法政大学出版局
  • [Book] 『物質と記憶』を再起動する(予定)2018

    • Author(s)
      平井靖史・藤田尚志・安孫子信(編)(担当箇所:アンヌ・ルフェーブル(著)、米田翼・山根秀介(訳))
    • Total Pages
      刊行前のため未定
    • Publisher
      書肆心水
  • [Book] 思想(1124号)2017

    • Author(s)
      担当箇所:エリー・デューリング(著)、米田翼・山根秀介(訳)
    • Total Pages
      131(担当箇所:105-129)
    • Publisher
      岩波書店

URL: 

Published: 2018-12-17  

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