2015 Fiscal Year Annual Research Report
インフラストラクチャーからみるラオスにおける都市空間の生成に関する人類学的研究
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15J02953
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
難波 美芸 一橋大学, 大学院社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | インフラストラクチャー / 都市化 / 文化人類学 / 開発 / ラオス / ネットワーク / 象徴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではラオス首都ヴィエンチャンにおける交通インフラに注目することで、都市化の過程を明らかにし、それを民族誌的に記述することを目的としている。平成27年度は、日本文化人類学会第四十九回研究大会(大阪)、第845回東京都立大学・首都大学東京社会人類学研究会(東京)、International Union of Anthropological and Ethnological Sciences (IUAES) Inter-Congress(タイ・バンコク)での口頭発表、また関連する研究会や国際ワークショップに参加し、国内外の研究者たちとの意見交換を通して、本課題が飽くまで具体的な実体を持つ対象としてきたインフラストラクチャーについて、その概念的な含みについての理論的な検討を行った。その結果、道路や橋といった個別の施設を、モノ、あるいは一つの科学技術として注目することと、システム、あるいはネットワークとしてみることとの差異が明らかとなった。とりわけインフラを通して都市の生成過程を明らかにしようとする本研究課題にとってこの差異は重要な気づきである。 平成27年度の研究の達成目標は、個別のインフラ施設が持つ象徴性について理解することであった。そこで平成27年12月から平成28年3月までは、インフラへの注目を通して、都市(生活)と人、国家と人との関係、そしてヴィエンチャンの都市計画史についての調査をラオス首都ヴィエンチャンで行った。ラオス国公共事業運輸省の職員、新たに道路整備を行っている地域の住民にインタビューを行ったほか、ラオス国内の新聞社二社、公文書館、フランス国立極東学院ヴィエンチャン支部で資料収集を行った。個別のインフラ施設に注目したこれらの調査結果を近年の人類学、科学社会論の諸研究に照らし合わせながら、上述の理論的な問題についてさらなる検討を行う必要性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の調査では、当初の計画での現地調査中の訪問予定地にはなかった公文書館へのコネクションを作ることができ、また今後の調査にとって重要となるラオス国立社会科学院からの受け入れ許可を得ることができたため、平成27年度の研究は計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は引き続き現地調査と分析、理論的課題の検討を行っていく。
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Research Products
(5 results)
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[Book] Transnational Frontiers of Asia and Latin America since 18002016
Author(s)
Jaime Moreno Tejada, Bradley Tatar, Jane Rausch, Greg Acciaioli, Alka Sabharwal, Dannelle Gutarra, Daniel S. Margolies, Alastair McClure, Diana Zhidan Duan, Louise Cardoso de Mello, Christopher A. Howard, William Fischer, Graeme MacRae, Brent Metz, Luis Roniger, Miki Namba 他
Total Pages
304
Publisher
Routledge
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