2015 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧下精密反応解析から見た有機炭素の化学進化と地殻―マントル炭素循環の解明
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15J03619
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
篠崎 彩子 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 沈み込み帯 / 有機炭素 / 高温高圧実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は地球表層に堆積した有機炭素がプレートの沈み込みによって地球深部に供給された場合に、深さの変化に伴って有機炭素の組成、構造がどのように変化するのかを明らかにし、地球表層から深部への有機炭素を介した炭素循環を解明する事である。有機堆積物は複雑な化学組成、分子構造を持つ有機物の集合体であることから、異なる分子構造、組成を持つ複数の炭化水素をモデル物質として用い、高温高圧下における安定性や化学反応を調べるため、高温高圧実験、および回収試料の化学分析を行う。 沈み込むスラブに相当する温度圧力の発生が可能なピストンシリンダー型高温高圧発生装置を新たに開発した。現在1GPa, 300℃までの実験を繰り返し行う事が可能である。本年度は芳香族炭化水素を出発物質とした高温高圧実験、回収試料のGC/MS分析を行った。同時に芳香族炭化水素の化学反応に温度と圧力それぞれがどのような影響を与えるのか明確にするため、マルチアンビルプレスを用いた室温下、23 GPaまでの高圧実験を行った。回収試料のGC/MS分析から、様々な重合生成物が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ピストンシリンダー型高温高圧発生装置の開発を行い、モデル物質として芳香族炭化水素を用いた実験を行っており、当初計画に通りに研究が進んでいる。室温下での芳香族の圧力誘起重合反応については23GPaまでの実験を行い、成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
2 GPa, 400℃程度までの発生を可能とするべくピストンシリンダー型高温高圧発生装置装置をさらに改良する。分子構造、組成の異なる様々なモデル物質の高温高圧実験、回収試料の化学分析を進め、有機炭素の安定性、化学反応に温度と圧力が与える影響を調べていく計画である。
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Research Products
(6 results)