2015 Fiscal Year Annual Research Report
液液界面におけるデンドリティック分子による生体関連物質の分配制御
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15J03765
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
坂江 広基 金沢大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 液液界面(ITIES) / 分光電気化学 / デンドリティック分子 / 生体関連物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
高機能なドラッグデリバリーシステム(DDS)や高効率で選択的な分離・検出系を構築するための基礎研究として、デンドリティック分子を分子カプセルとして用い、種々の生体関連物質との相互作用と生体膜のモデル反応場である液液界面における反応挙動の解明を行った。 生体関連物質には、各種イオン性薬剤分子とフラビン化合物を用い、分光電気化学測定によって界面反応性を明らかにした。デンドリティック分子として、水溶性のアミノ末端あるいはカルボキシ末端ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーと無電荷で水溶性が低くミセルを形成しやすいポリエステル系ハイパーブランチポリマー(bis-MPA-HBP)を用いて反応性を比較検討した。 カチオン性薬剤分子は静電相互作用によってアニオン性の第3.5世代(G3.5)PAMAMデンドリマーと相互作用し、界面反応機構が薬剤分子単独系と比較して変化した。また、フラビン化合物は主に水素結合を介してG4 PAMAMデンドリマーに包接され、単独では生じない相間分配が生じることを見出した。一方、bis-MPA-HBPの界面吸着性が示され、競争吸着によってフラビン化合物の界面吸着が阻害されることが明らかとなった。これらの反応性は界面特異的なものであり、DDSの反応設計を行う上で重要な知見となる。 これらの成果は国内外の学会発表に加えて、筆頭著者としてElectrochim. Acta誌に論文を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、デンドリティック分子と生体関連物質の相互作用と界面反応機構を解明した。 また、新たに見出した知見を国内外の学会発表に加えて、筆頭著者としてElectrochim. Acta誌に論文を公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
高機能なDDSの構築を目指し、がん治療法として注目されているホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に焦点を当てる。BNCTに用いられているホウ素化合物ボロカプテート(BSH)とボロンフェニルアラニン(BPA)の界面反応機構を電気化学的に研究する。これら化合物単独の挙動を明らかにした後、デンドリティック分子との相互作用を検討する。デンドリティック分子への内包(濃縮)効率については吸収、蛍光スペクトルのピークシフトと強度変化をもとに平衡論的パラメーターを決定する。ホウ素化合物を包接したデンドリティック分子の相間分配と包接分子の放出過程を電気化学的に制御する。また、Gottumukkalaらによってポルフィリン環にホウ素クラスターが結合したホウ素化ポルフィリンH2OCPの合成が報告されている。このホウ素化ポルフィリンはBNCTに加え、がん治療における光線力学的療法(PDT)への利用も検討されている。H2OCPを合成し、分光電気化学測定によりこの化合物の界面反応機構を明らかにする。
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Research Products
(9 results)