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2015 Fiscal Year Annual Research Report

高等植物におけるジベレリンシグナル伝達を中心とするシグナルネットワークの解析

Research Project

Project/Area Number 15J03980
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

吉田 英樹  名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2015-04-24 – 2017-03-31
Keywords植物ホルモン / 転写因子
Outline of Annual Research Achievements

(1)co-regulator exchange systemを中心としたGA-糖シグナルクロストークの解析
解析に必要なシロイヌナズナの変異体を取り寄せ、変異を確認した。
(2)GRASタンパク質が関わるinteraction networkによる成長制御の解析
当初の予定を一部変更し、イネにおいて植物ホルモンのシグナル伝達に関わり、成長を制御するGRASタンパク質およびinteraction networkの解析を行った。オーキシンシグナル伝達の下流で働くAP2型転写因子とブラシノステロイドシグナル伝達下流のGRASファミリータンパク質が結合して植物内で転写調節を行っていることがわかった。さらにイネにおいてDELLAタンパク質がそのAP2型転写因子と結合することがわかった。このことはこのinteraction networkがオーキシン、ブラシノステロイド、ジベレリンのクロストークの分子実体である可能性を示唆するものである。
(3)イネにおけるIDDタンパク質の機能解析
イネのDELLAタンパク質であるSLR1とイネのIDDファミリータンパク質が結合することを見出した。またそれらがOsSCL3のプロモーター領域にも結合することを見出し、cis-elementを同定した。IDDの過剰発現体で矮性の形質が確認された。詳細な表現形解析を行ったところ、葉が脆くなっていることがわかり、細胞壁に異常があることがわかった。網羅的に遺伝子発現を解析したところ、OsIDD過剰発現体で細胞壁の成分を合成する酵素の発現の減少が見られた。一方で、RNAi、およびCRISPR/Cas9システムを用いたOsIDD遺伝子に対するknock-down、knock-out系統は明確な形質異常が見られなかったことから、細胞壁成分の合成にはOsIDDを含む他の転写因子によるリダンダントな制御機構があることが推察された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

(2)GRASタンパク質が関わるinteraction networkの解析については、当初の予定していた研究内容について他の研究室から論文が発表されたため、研究内容を一部変更して研究を行ったものの、すでに現在の段階で研究結果をまとめ、論文を投稿中であることから想定以上に進行したと言って差し支えない状況である。
(3)イネにおけるIDDタンパク質の機能解析については、予定通りに実験を進めており、今年度中に論文を投稿できる見込みであることから、順調に進展している。
(1)co-regulator exchange systemを中心としたGA-糖シグナルクロストークの解析については、突然変異体の同定に予想以上に時間を取られたこと、また他のテーマに注力していた期間があったことから、現状では予定よりも進行が遅れている。しかし、(2)のテーマが予想以上に進行したことから今後十分に修正できる範囲内であると考えている。
以上のことから総合的に判断して、当研究課題はおおむね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

(1)co-regulator exchange systemを中心としたGA-糖シグナルクロストークの解析について
当初の予定通り、まずscl3変異体の糖への応答を評価した後、関係する変異体との交配や形質転換などを行い、各個体を評価して遺伝学的にSCL3を中心としたGA-糖シグナルクロストークを予想し、その予想を分子生物学的実験によって証明する。今年度中に結果をまとめることを目標とする。
(3)イネにおけるIDDタンパク質の機能解析
transient reporter assayやRT-PCRなどを行い、OsIDDの下流で働く細胞壁関連遺伝子を同定する。上半期中にそれらの実験データをまとめ、論文を投稿する予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2016 2015

All Journal Article (1 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Journal Article] ジベレリンシグナル伝達の鍵因子DELLAタンパク質の転写活性化機構2016

    • Author(s)
      吉田英樹、上口(田中)美弥子
    • Journal Title

      化学と生物

      Volume: 54 Pages: 176-180

    • DOI

      10.1271/kagakutoseibutsu.54.176

  • [Presentation] AP2-GRAS複合体によるオーキシン-ブラシノステロイドシグナルクロストークの解析2016

    • Author(s)
      安益 公一郎、平野 恒、吉田 英樹、川村 真結子、保浦 徳昇、古川 久美子、林 誠人、佐藤(伊澤) かんな、北野 英己、上口(田中) 美弥子、松岡 信
    • Organizer
      第57回日本植物生理学会年会
    • Place of Presentation
      岩手大学盛岡キャンパス
    • Year and Date
      2016-03-19
  • [Presentation] AP2-GRAS相互作用を介したオーキシン-ブラシノステロイドシグナルクロストーク2015

    • Author(s)
      安益 公一郎、平野 恒、吉田 英樹、川村 真結子、保浦 徳昇、古川 久美子、林 誠人、佐藤(伊澤) かんな、北野 英己、上口(田中) 美弥子、松岡 信
    • Organizer
      BMB2015
    • Place of Presentation
      神戸ポートアイランド
    • Year and Date
      2015-12-02
  • [Presentation] DELLA, IDD and SCL3 cooperate in the gibberellin feedback system2015

    • Author(s)
      Hideki Yoshida, Ko Hirano, Tomomi Sato, Nobutaka Mitsuda, Mika Nomoto, Kenichiro Maeo, Eriko Koketsu, Rie Mitani, Mayuko Kawamura, Sumie Ishiguro, Yasuomi Tada, Masaru Ohme-Takagi, Makoto Matsuoka and Miyako Ueguchi-Tanaka
    • Organizer
      the 26th International Conference on Arabidopsis research
    • Place of Presentation
      Palais des Congrès
    • Year and Date
      2015-07-06 – 2015-07-09
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] DELLA protein functions as a transcriptional activator through the DNA binding of the INDETERMINATE DOMAIN family proteins2015

    • Author(s)
      Hideki Yoshida, Ko Hirano, Tomomi Sato, Nobutaka Mitsuda, Mika Nomoto, Kenichiro Maeo, Eriko Koketsu, Rie Mitani, Mayuko Kawamura, Sumie Ishiguro, Yasuomi Tada, Masaru Ohme-Takagi, Makoto Matsuoka and Miyako Ueguchi-Tanaka
    • Organizer
      Establishing Next-Generation Genetics
    • Place of Presentation
      奈良春日野国際フォーラム
    • Year and Date
      2015-05-28
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2016-12-27  

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