2015 Fiscal Year Annual Research Report
植物ウイルス複製システムの5次元的理解とウイルス防除への新展開
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15J04093
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 将典 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 植物ウイルス / ウイルス複製 / 宿主因子 / シロイヌナズナ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2つの手法を用いて、植物ウイルスの複製に関わる宿主因子の同定を目指した。 1)遺伝学的手法を用いた宿主因子のスクリーニング:突然変異誘導剤処理により作製した多数の変異植物体に対して、GFPウイルスを接種し、GFP蛍光によりウイルス感染の有無を判定することで、ウイルスが感染しない変異体をスクリーニングした。その結果、ウイルス感染が見られない変異植物1個体を単離した。次世代シークエンスを用いたマッピングから、原因遺伝子候補の同定に成功した。さらに野生型の原因遺伝子を変異体に導入した場合に、ウイルス感染が回復することを確認した。 2)複製酵素と相互作用する宿主因子の同定:はじめに植物ウイルスに対してBioID法が適応可能であるかを検討するため、GFP遺伝子を複製酵素遺伝子の内部に挿入した場合にウイルスの感染性に影響するかを調べた。複製酵素遺伝子の複数箇所にGFP遺伝子を挿入したところ、すべての挿入変異体でウイルスの感染性が著しく低下した。このことから、植物ウイルスの複製酵素に対して現状の計画でBioID法を適用するのは難しく、さらなる検討が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたBioID法は現状の計画では適用が難しいことがわかったが、遺伝学的手法を用いた方法により宿主因子を同定したことにより、次年度以降の計画に問題が生じないため。
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Strategy for Future Research Activity |
同定された宿主因子は、これまでに機能が報告されていない遺伝子でありウイルス感染に関与するという報告もないため、ウイルス感染における機能を遺伝学的手法等を用いて詳細に調べることとする。
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Research Products
(2 results)