2016 Fiscal Year Annual Research Report
オスマン朝期におけるスーフィズムの展開―ナーブルスィーの存在一性論を中心として―
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15J04355
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 直輝 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | スーフィズム / オスマン朝 / ナーブルスィー / ビルギヴィー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年は、これまでの研究成果の発表と資料収集、そして博士論文の議論に関連する研究内容の発表を行った。 まず、本研究者の修士論文は学術雑誌『オリエント』に投稿し、論文として公開された。博士論文の議論をいくつかまとめたものもいくつかの学術論文として発表済みである。 また英国中東学会2016年次大会に参加し、本研究者の研究対象であるナーブルスィーのイスラーム解釈学の方法論について研究発表を行った。本発表は博士論文の議論の一部になる予定である。 平成28年7月28日から9月4日までトルコのイスタンブルに滞在し、スレイマニエ図書館で写本資料の充実を図った。またイスタンブルのマルマラ大学やウスキュダル大学、ファーティヒ・スルタン・メフメト大学等のイスラーム研究、スーフィズム研究を専門にしている研究者と交流し、自身の研究内容について議論を行いことで貴重なフィードバックを得ることができた。トルコ滞在中に入手した資料を用いて、9月8日のCNRS(フランス国立科学研究センター)及びモンゴルでの東アジア中東学会連合国際大会等の国際研究会で研究発表を行った。研究発表の内容であるイブラーヒーム・クーラーニーはナーブルスィーと同時代に生きたスーフィー思想家であり、両者のスーフィズム観を比較的に検討することは、ナーブルスィーの思想の独自性を考察する上で重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は複数の国際学会の場で申請者の研究発表を行えたほか、学術雑誌にも論文を投稿し刊行することができた。またトルコ滞在中にはスレイマニエ図書館で研究対象の一次資料である写本を入手し、博士論文執筆のための研究資料の充実を図ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
トルコのスレイマニエ図書館などを訪問し、一次資料の充実を図りつつ、博士論文の完成を目指す。また英国中東学会などの国際学会の場で博士論文の議論を発表し、フィードバックをもらうことで博士論文の議論の精密化を目指したい。
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Research Products
(8 results)