2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J04403
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
張 彦隆 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | Anammox / AAFEB反応槽 / 窒素負荷ショック / SAA / 細菌耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
水環境の富栄養化を防止するために、排水から効率的に窒素を除去する技術の開発が求められている。そこで本研究では、新規高効率窒素除去プロセスについて、AAFEB (anammox attached film expended bed) 型反応槽の運転条件を最適化し、anammox反応の原理を最大限に活用することにより低コストで高効率な脱窒システムを開発することを目的として以下の課題に取り組んだ。 (1) AAFEB反応槽の運転安定性に及ぼす窒素負荷ショックとEPSの影響 連続実験において,基質のTN濃度を1250 mg/Lから2500 mg/Lに急激に増加させることで,基質濃度ショックによる阻害とその後の回復過程について検討した。また,その阻害によるAnammoxグラニュールの粒径分布や汚泥の強度、沈降性能の変化について検討した。AAFEB型 Anammox反応槽の窒素負荷を上昇させると、窒素濃度ショックによって汚泥のEPS濃度が増加し、汚泥の強度と沈降性能も弱くなることを明らかにした。流出水のVSSとSSの増加に従い、汚泥総量も減少する結果となった。 (2) Anammox細菌のSAAと細菌耐性の変化 運転期間におけるAnammox細菌のSAA (specific Anammox activity) と細菌耐性の変化を分析するため、回分実験を行った。その阻害過程を数式化することで、IC10、IC50、IC90の変化を検討し、Anammox細菌の生物学的特性を明らかにした。一度基質濃度の上昇による阻害を受けた後回復させたAnammox細菌は基質阻害への耐性が弱くなる傾向があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
H27年度において「Anammoxによる新規窒素除去プロセスの開発」を目指して(1) AAFEB反応槽の運転安定性に及ぼす窒素負荷ショックとEPSの影響、(2)Anammox細菌のSAAと細菌耐性の変化などの項目に分けて研究を進め、それぞれ具体的な成果を挙げることができた。その結果、研究発表の欄にまとめたように、第一著者の査読つき論文2本、第2著者の査読つき論文など多くの学術論文と国際学会発表2件を完成した。また、関連の研究テーマに積極的に関わり、様々な貢献をした。 全体として「期待以上の研究の進展があった」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこの反応器内の微生物による窒素除去の特性を把握し、微生物群集構造を解析する。さらにAnammox反応モデルを確立し、反応器内の物質転換を数式化し、最適化した窒素除去プロセスをシミュレーションすることにより窒素除去率と運転安定性の向上を目指す。
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Research Products
(12 results)