2016 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品探索を指向した触媒的不斉C-Hカップリングの開発と応用
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15J04509
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 寛起 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 有機化学 / 炭素炭素結合活性化 / ロジウム / ヒドロシリル化 / シクロプロパン |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、安定な化学結合を切断し、新たなヘテロ原子を導入する分子結合活性化反応が次世代の精密有機合成化学反応として注目されている。結合開裂の触媒となるのは主に遷移金属であり、様々な化学結合を切断しうる触媒と、それらを用いた反応開発が盛んに行われている。中でも炭素-炭素結合(C-C結合)は有機分子の主骨格を構成しすべての有機化合物がC-C結合を有している。従って、C-C結合開裂を伴う分子変換法の開発は、複雑有機化合物の新しい合成法につながるため、世界中の合成化学者の研究対象となっている。 シクロプロパンは環歪みに起因する高い反応性を有する。一方で、安定で取り扱いやすく容易に合成可能であるため、合成化学の有用なビルディングブロックとして利用されている。C-C結合活性化研究において、シクロプロパンは環歪み解消エネルギーを反応の駆動力とすることから数多く用いられ、その開環を伴った様々な形式の反応が報告されている。しかし容易に合成でき安価で入手可能な一置換シクロプロパン(活性化されていないシクロプロパン)がC-C結合活性化反応に用いられる例は少ない。今回、直截的なアミノシクロプロパンのヒドロシリル化反応を見出した。ロジウム触媒存在下、アシル化アミノシクロプロパンとヒドロシランを反応させると、シクロプロパン環のproximal結合の選択的開裂を伴ったヒドロシリル化体を与える。基質のアシル基の配向作用によりproximal結合が選択的に活性化されたと示唆される。また、用いるモノホスフィン配位子によりシリル基が付加する位置選択性を制御することに成功した。本反応はα-アミノシラン類の新たな合成法でありシランジオール前駆体の合成が可能である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)