2015 Fiscal Year Annual Research Report
長波長帯波長可変超短パルスファイバレーザを用いた高侵達多機能生体イメージング
Project/Area Number |
15J04531
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川越 寛之 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 光コヒーレンストモグラフィ(OCT) / 長波長帯OCT / スーパーコンティニューム(SC)光 / 高侵達生体イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,長波長帯光コヒーレンストモグラフィ(OCT)と多光子顕微鏡技術を組み合わせた多機能イメージングシステムを開発し,高速・高分解能・高侵達な構造情報と組成情報の同時取得を実現する.開発した多機能イメージングシステムによって,3次元培養細胞や生体組織の生体機能の更なる解析が可能になると期待できる. 本年度は,高速・高分解能.高侵達な構造情報の取得を実現するため,これまでに開発した波長1.7um帯スーパーコンティニューム(SC)光と新たに開発した高速InGaAsラインスキャンカメラを搭載した広帯域分光器を用いて,波長1.7um帯超高分解能周波数領域OCT(SD-OCT)システムの開発に取り組んだ.超広帯域な光源および検出器を用いることで,生体中で約3umの超高分解能性を実現し,超高分解能な断層像のビデオレートでの取得を実現した.さらに,開発したOCTシステムにフルレンジ法を適用することで,超高分解能性に加えて,約1.6mmの広イメージングレンジを同時に実現した.開発したOCTシステムを用いて,ホルマリン固定されたラット脳の表面から約1.5mm深部にある海馬組織の高分解能かつ高侵達イメージングを実現した. また,高繰り返し超短パルスファイバレーザと高速波長可変ソリトンパルス技術を組み合わせ,波長1.7um帯高出力擬似SC光源を開発した.繰り返し周波数を100MHzに向上させたことによって,平均出力100mWの高出力波長可変ソリトンパルスを生成できた.ソリトンパルスの中心波長は1.6-1.9umの間で可変で,パルス幅約250fsの超短パルスを取得した.開発した波長1.7um帯高出力波長可変ソリトンパルスと蛍光色素溶液を用いて,多光子蛍光の発光を確認した.開発した波長ソリトンパルスの高出力性と超短パルス性によって,非線形光学応答である2光子蛍光を高効率に発生させることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,高速・高分解能・高侵達な構造情報の取得に必要である波長1.7um帯超高分解能周波数領域OCT(SD-OCT)システムの開発に取り組み,超高分解能(生体中で約3um)かつ高侵達(約1.6mmのイメージングレンジ)なOCT断層像のビデオレートでの取得を実現した. また,高繰り返し超短パルスレーザと高速波長可変ソリトンパルス技術を組み合わせた,波長1.7um帯高出力擬似SC光源を開発し,高出力(100mW)かつ超短パルス性(約250fs)を有する波長可変ソリトンパルスを生成することに成功した.さらに,この波長1.7um帯高出力擬似SC光源を用いて,多光子蛍光の発光を確認できた.この波長1.7um帯高出力擬似SC光源を用いることで,多光子蛍光イメージングによる高分解能かつ高侵達な組成情報の取得が期待できる. 以上のように,当初の研究計画に沿って研究を進めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に開発した,波長1.7um帯超高分解能SD-OCTシステムに高NA対物レンズを組み合わせ,波長1.7um帯超高分解能周波数領域光断層顕微鏡(SD-OCM)システムを開発し,高速・高分解能・高侵達な構造情報のイメージングを実現する. また,本年度に開発した,波長1.7um帯高出力擬似SC光源を用いて,高分解能かつ高侵達な多光子蛍光イメージングによる組成情報の取得を行う. さらに,開発したSD-OCMシステムと波長1.7um帯高出力擬似SC光源を組み合わせ,高速・高分解能・高侵達な構造情報と組成情報の同時取得可能な多機能イメージングシステムの開発を行う. 開発した多機能イメージングシステムを用いて,3次元培養細胞や生体組織の高速・高分解能・高侵達イメージングを実現する.
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