2017 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素種により誘導されるエピゲノム変化を通じた多段階発癌機序の解明
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15J04640
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西中 瑶子 京都大学, iPS細胞研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 一過性骨髄異常増殖症 / 疾患特異的iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、GATA1変異iPS細胞で見られた異常な血液分化の表現型の起点であると考えられる血液前駆細胞分画の同定を行った。血球分化過程で、GATA1変異の有無に関わらず誘導された血液前駆細胞分画を各クローンから単離、形態を確認した結果、いずれの分画においてもGATA1変異の有無による形態の差は認められなかった。単離した前駆細胞分画を各血液系統へ分化誘導及びコロニー形性能の解析を行った結果、CD34+CD41+CD71+分画を、原因分画の一つとして同定した。この分画について遺伝子発現プロファイル解析を実施したところ、GATA1変異細胞由来の細胞では、DNAダメージやSTAT経路の亢進、TGF-βシグナルや活性酸素種還元酵素の低下等が認められた。これらの遺伝子発現パターンは既報の腫瘍細胞で高頻度に見られるプロファイルと類似していた。この結果は、遺伝子発現パターンで得られた結果と一致し、今回同定した分画がTAMの異常な血球分化を引き起こす原因であるだけでなく、癌細胞に類似した特徴をすでに獲得していることを示唆するものであった。 次に、TAM特異的iPS細胞の免疫不全マウスへの移植を試みたが、6ヶ月間に渡る経時的な追跡では、ヒト細胞のマウス骨髄への生着は認められなかった。一方で、AMKL由来の細胞株を移植したマウス骨髄では、ヒト白血病細胞の生着が認められた。そこで、in vivoでTAMの解析を行うために、細胞の生着に必要な微小環境を改変することで移植系をTAMに適応出来る系の構築を試みるために、マウスの微小環境を解析する必要があると考え、その解析方法にWhole-mount解析を選択した。この方法の習得のために、米国国立衛生研究所の向山洋介研究室に3ヶ月間滞在し、技術を学んだ。現在この技術を用いて、骨髄内及びTAMの発症の場として一般的に考えられている肝臓を解析している。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Hypoxic adaptation of leukemic cells infiltrating the CNS affords a therapeutic strategy targeting VEGFA.2017
Author(s)
Kato I, Nishinaka Y, Nakamura M, Akarca AU, Niwa A, Ozawa H, Yoshida K, Mori M, Wang D, Morita M, Ueno H, Shiozawa Y, Shiraishi Y, Miyano S, Gupta R, Umeda K, Watanabe K, Koh K, Adachi S, Heike T, Saito MK, Sanada M, Ogawa S, Marafioti T, Watanabe A, Nakahata T, Enver T.
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Journal Title
Blood
Volume: 129(23)
Pages: 3126-3129.
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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