2017 Fiscal Year Annual Research Report
うつ病患者の自伝的記憶の概括化に対する治療法の検討
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15J04679
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横山 仁史 広島大学, 医歯薬保健学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | うつ / 行動活性化 / 脳機能画像 / 自伝的記憶の概括化 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究は順調に進捗し,成果をあげることができた。本年度は最終年度にあたるため,前年度から引き続き収集されたデータを統合的に解析しまとめた。具体的には,うつ症状を有する者および健常被験者を対象に,これまでの申請者の検討で治療の有効性が示唆された行動活性化プログラムを適用し,その前後で記憶の概括化の評価とfMRIによる脳機能測定を実施した。当該プログラムではその個人にとって快感情が随伴するような行動を特定し,それを増やす計画を作成・実施しながら行動を活性化することを目的として作成された心理療法プログラムである。よりうつ症状の高い症例については,将来の目標を設定しそれに沿った行動を増やすことで回避行動を減らすプログラムも加えられた。これらのプログラムはうつ病の治療に効果があることが示されているが,同時に行動を増やすことで記憶情報が増え概括化が減少する可能性が考えられたため本課題に適用した。解析の結果,プログラム前後で記憶の概括化が減少した症例が一定数みられ,その改善度とfMRIによる安静時脳機能結合性評価の得点が関連することが明らかになった。これらの検討内容は現在,関連学術領域に公表すべく準備中である。近年,うつ病患者の再発要因としての記憶の概括化に対する介入の必要性が指摘される中,効果的な治療法の開発には至っていなかった。申請者の試みはいまだ先行例がなく行動変容による記憶の概括化の変化およびその神経基盤までも明らかにしようとしたものであり,再発が多いうつ病治療への新規介入提案が実現でき大いに有益である。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Effects of behavioral activation on default mode network connectivity in subthreshold depression: a preliminary resting-state fMRI study2018
Author(s)
Yokoyama, S., Okamoto, Y., Takagaki, K., Okada, G., Takamura, M., Mori, A., Shiota, S., Ichikawa, N., Jinnin, R., Yamawaki S.
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Journal Title
Journal of Affective Disorders
Volume: 227
Pages: 156-163
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] The neural correlates of the metacognitive function of other perspective: a multiple regression analysis study.2017
Author(s)
Shiota, S., Okamoto, Y., Okada, G., Takagaki, K., Takamura, M., Mori, A., Yokoyama, S., Nishiyama, Y., Jinnin, R., Hashimoto, R.I. and Yamawaki, S.
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Journal Title
NeuroReport
Volume: 28
Pages: 671-676
DOI
Peer Reviewed
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