2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規超分子フォトニックエラストマーの創製とその光学特性評価
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15J04689
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松島 智 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | ブロック共重合体 / ミクロ相分離構造 / エラストマー / 粘弾性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリスチレン-b-ポリ(4-ビニルピリジン)-b-ポリスチレン(SPS)ブロック共重合体と、Pのみを溶解するプロトン性イオン液体とを混合することで、中央鎖に超分子相互作用を導入したソフト材料を調製した。ヤング率は約0.06MPa、破断伸張は約600%であるようなエラストマー能を有していたが、フォトニック特性の評価までは至っていない。 研究の進捗具合等を考慮し、ABCトリブロック共重合体を用いた新しい分子設計を考案した。A成分にはポリ(2-ビニルピリジン)(Tg~100℃)、B成分にはポリイソプレン(Tg~-70℃)、C成分にはTg~50℃程度のポリマーからなるABCトリブロック共重合体を用いる。C成分に最適なポリマーを探索すべく、モノマーユニットに対して異なる長さのアルキル基を有した、ポリ(4-n-アルキルスチレン)(アルキル基の炭素数=2、3、4、6、8)をリビングアニオン重合法により合成した。これらポリマーの粘弾性パラメータを詳細に評価したところ、アルキル基の炭素数が多くなるにつれてTgは低下していき、絡み合い点間分子量Meは増加することが分かった。これは運動性の高いアルキル基が導入されることで相対的に主鎖の運動性も高まるためにTgは低下し、一方でアルキル基が存在することで分子鎖レベルで太くなっているためにMeは増加したと考えられる。以上の結果からポリ(4-n-プロピルスチレン)のTgが57℃であったことから、このポリマーがABCトリブロック共重合体のC成分に最適なポリマーであると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していた分子設計ではエラストマーとしての性質は示すものの可視光を反射するフォトニック特性を示す材料の調製までには至らなかった。現在、新たな分子設計を考え、その分子設計に適したポリマーを見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ポリ(2-ビニルピリジン)-b-ポリイソプレン-b-ポリ(4-n-プロピルスチレン)からなるABCトリブロック共重合体を合成し、まずは力学特性について調査する。また高分子量体ポリマーに関しても合成し、フォトニック特性を有するエラストマーの調製にも随時挑戦する。
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Research Products
(5 results)