2015 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分化の可塑性を制御する核内構造ダイナミクスの解明
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15J04853
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 梓 京都大学, iPS細胞研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2019-03-31
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Keywords | クロマチン構造解析 / シングルセル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は当初の計画通り「少数の細胞を用いたクロマチン構造解析技術の開発」を行っている。本技術を用いて、iPS細胞が特定の細胞へと分化していく過程で、クロマチン状態がどのように変化しているのかを網羅的に解析し、分化に重要な役割を果たす領域および転写因子の同定を目指している。すでに、通常の10000分の1の細胞数である100細胞から、心筋細胞分化に重要な役割を果たしていると考えられる転写因子を推定することに成功している。 またさらなる手法の改良とフリューダイム社のマイクロフルイディクス技術とを組み合わせることで1細胞でのクロマチン構造解析技術の開発にも成功した。すでに繊維芽細胞とiPS細胞を用いて1細胞クロマチン構造解析の実験を行っており、次世代シークエンサーによるシークエンスも終了、現在解析グループの協力の元、データの解析中である。 上述のようなクロマチン構造解析を日常的に行える技術により、他のグループとの共同研究にも発展し、心筋細胞、神経細胞でのクロマチン構造解析も行い共著者として論文を投稿中である。 これらの研究成果は内藤財団主催の内藤カンファレンスにも演題として選ばれポスター発表を行ったのをはじめとして、企業主催のセミナーでもポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クロマチン構造解析を行っていることを他の研究室にも認知され、様々な共同研究へと発展している。 また、現在はまだデータの解析中ではあるが、当初の計画よりも早い段階でシングルセルクロマチン構造解析を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
シングルセルエピゲノム解析は世界の他の研究機関でも盛んに手法開発が行われている。 すでに繊維芽細胞およびiPS細胞での1細胞オープンクロマチンデータは取得済みなので、今後はデータ解析に力を入れ論文としてまとめる方向に進めていく予定である。
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