2016 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫のヘム生合成に関与する膜輸送タンパク質の同定
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15J04920
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小松谷 啓介 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | ヘム / マラリア / ヘム定量 |
Outline of Annual Research Achievements |
マラリア原虫は、宿主であるヒト赤血球からヘムを利用する経路を持つことが明らかとなった。しかし、マラリア原虫がどのように宿主からマラリア原虫内にヘムを輸送しているかは全く明らかになっていない。しかし、輸送系を明らかにするためのヘムの定量法が確立していない。その理由は、マラリア原虫はヒト赤血球に寄生し、赤血球はヘモグロビンを大量に含んでいる。また、マラリア原虫はヘモグロビンを分解して生じたヘムを無毒化するためにヘムの重合体であるヘモゾインを形成する。これらはヘムを定量するための妨害物質となる。このために、マラリア原虫においてヘムの定量法は確立していない。そこで、私はマラリア原虫内のヘムの輸送系を明らかにする目的で、ヘムの定量法の確立を試みた。 様々な報告や情報を検討し、植物細胞で利用されているヘムの定量法であるアセトン抽出法と西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を組み合わせた酵素学的アッセイによる高感度ヘム定量法を用いることとした。その結果、この方法を用いることでヘモグロビンやヘモゾインの妨害を受けることなくヘム抽出及び定量を行うことができた。また、このヘムの抽出定量法を用いて、新規抗マラリア薬の候補の一つである5-アミノレブリン酸(ALA)/クエン酸第一鉄ナトリウム(SFC)の作用機序を明らかにした。ALA/SFCを培地に加えた原虫ではコントロール原虫に比べ、細胞内の遊離したヘムの量が増加した。この遊離のヘムが細胞毒性を示し、マラリア原虫の増殖を阻害したと考えられる。 以上、アセトン法とHRP assayを用いたヘム定量法によりマラリア原虫の遊離ヘムの測定が可能となり、ALA/SFCの増殖阻害機構に新たな知見を与えた。今後原虫内オルガネラ間のヘム輸送の解析を行うとともに、マラリア原虫のヘムは脳マラリアにも関与していることから、マラリア病態の解析と新しい診断法の応用も期待できる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)