2016 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳開始及びリボソーム成熟化におけるIF5B-ストークタンパク質複合体の機能解析
Project/Area Number |
15J04972
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 僚 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | タンパク質合成 / リボソーム / 翻訳開始 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前年度に引き続き、翻訳開始因子IF5Bによる翻訳開始反応およびリボソーム成熟化におけるリボソームストークタンパク質の機能的意義の解明を目指した。研究代表者は、出芽酵母eIF5Bを調製し、真核生物ストークタンパク質特異的抗体を利用したGTPase活性阻害実験を行った。その結果、ストーク抗体を実験系に加えた場合において、eIF5BのGTPase活性が低下した。この事から、真核生物のeIF5BのGTPase活性発現にはストークタンパク質が必要であることが示唆された。また、出芽酵母を用いたポリソームプロファイリングを行い、タンパク質合成を行っているリボソームが含まれるポリソーム画分の割合を検証した。リボソームストークタンパク質P1/P2遺伝子を部分的に欠損した酵母を用いて解析を行った所、野生型酵母に比べ、ポリソームの量が50%以下にまで低下したが、この表現型はeIF5Bの過剰発現によって回復された。また、ストーク欠損酵母株において、80Sリボソームに対する40S, 60Sサブユニットの割合が増加しており、80Sを正常に形成できないリボソームサブユニットが蓄積していた。さらにストーク欠損酵母株を用いてLacZレポーターを利用した翻訳開始の正確性の解析を行った所、ストーク欠損酵母株では翻訳開始の正確性が低下しており、この表現型は、野生型のeIF5Bの過剰発現で補完されたが、ストーク結合部位に変異を導入したeIF5Bの過剰発現では補完されなかった。以上の結果から、リボソームストークとeIF5Bの相互作用は、eIF5Bのリボソーム依存的なGTP加水分解活性に寄与しており、正常な80Sリボソームの形成、翻訳開始の厳密性と促進に必要であることを分子・細胞レベルで明らかにした。現在、以上の結果を前年度の結果と合わせ、国際論文として投稿中であり、査読に対応している段階である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)