2017 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類の大脳皮質錐体細胞シナプス形態の領野特異性とその生後発達
Project/Area Number |
15J05524
|
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
小賀 智文 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 微細構造研究部, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
|
Keywords | 錐体細胞 / 樹状突起 / スパイン / シナプス / 大脳皮質 / 視覚 / 生後発達 / 腹側視覚経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画において霊長類を対象にした研究論文を2報発表した。まず、一次視覚野の視野地図と樹状突起形態の関連を調査し、錐体細胞の基底樹状突起が一次視覚野内で均一であることを示した(Oga, Okamoto, Fujita, 2016)。この成果は、一次視覚野における視野表現が偏心度によりゆがんでいることの原因が、情報を受け取る一次視覚野3層細胞側にあるのではなく、入力線維の軸索の分枝の仕方にあることを示唆している。視野表現成立の神経機構の理解を大きく進めた。もう一つは錐体細胞の形態とスパイン密度の発達変化を大脳皮質5層においても調査し、3層細胞に関する先行研究成果(Elston, Oga, Fujita, 2009)と合わせて、錐体細胞の基底樹状突起が領野と層それぞれに特有の発達過程を経て成熟することを明確にした(Oga, Elston, Fujita, 2017)。本研究の成果は、ヒトの脳では実現できない精度での解析を行うことで初めて得られた。今後、ヒト脳の発達、発達異常、老化、疾患に伴う神経細胞の形態変化を評価する基盤を提供する重要な成果である。スパイン形態の領野間比較研究のデータ解析も順調に進行しており、成体サルの解析は終了し、連合野では視覚連合野TEだけでなく、前頭連合野12vlでも樹状突起スパインの大きさの多様性がV1より大きいことが明らかになった。現在、投稿準備中である。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)