2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J05830
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
矢吹 友佳理 広島大学, 生物圏科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | リボソーム生合成 / 小胞輸送 / 酵母 / スフィンゴ脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
リボソーム生合成は、細胞内外の環境変化に応答して厳密に調節されている。その制御の一つとして、出芽酵母において、分泌経路が遮断されるとリボソーム生合成が転写レベルで抑制される。分泌経路の遮断はWsc蛋白質によって細胞膜ストレスとして感知され、そのシグナルがPkc1を介して伝達されると考えられているが、その他の因子に関する知見は乏しい。これまでに、分泌経路遮断によってTORC1下流エフェクターSch9およびSfp1の活性に必要なTORC1依存的なリン酸化が減少することが報告されている。これらのことから、分泌経路遮断によるリボソーム生合成抑制に、TORC1を介した経路が関与することが考えられた。前年度において、分泌経路遮断によるリボソーム生合成抑制においてTORC1-Sch9経路の活性が必要であることが示唆された。 本年度は、TORC1と機能的に異なるTORキナーゼであるTORC2およびTORC2下流で制御されるスフィンゴ脂質の分泌経路遮断によるリボソーム生合成調節機構への関与について検討した。TORC2構成因子変異株を用いて、分泌経路遮断によるリボソーム蛋白質遺伝子の転写への影響を解析した結果、TORC2は分泌経路遮断時のシグナル伝達に関与しないことが示唆された。また、スフィンゴ脂質合成の各ステップに関与する酵素の遺伝子変異株を用いて同様の解析を行った結果、分泌経路遮断時のシグナル伝達にスフィンゴイド塩基が必要であることが示唆された。スフィンゴイド塩基はキナーゼであるPkh1/2の活性を制御することから、Pkh1/2の遺伝子変異株を用いて同様の解析を行った結果、Pkh1/2が分泌経路遮断時のシグナル伝達に関与することが示唆された。以上の結果から、分泌経路遮断によるリボソーム生合成の抑制において、スフィンゴイド塩基-Pkh1/2経路が必要であることが示唆された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)