2016 Fiscal Year Annual Research Report
Runx2遺伝子の時間的・空間的発現制御および癌化時の発現制御機構の解明
Project/Area Number |
15J06615
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松裏 恵子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
|
Keywords | Runx2 / エンハンサー / 骨芽細胞分化 / 軟骨細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
Runx2のエンハンサーの解析と追加同定 Runx2遺伝子領域のBACクローンを順次欠失させたGFPトランスジェニックマウスを作成することにより、Runx2 P1-5’down stream(1個)とRunx2 P2-3’up stream(2個)に新たな候補エンハンサーを特定した。これらは、Hsp68 minimal promoterと結合させたGFPトランスジェニックマウスを作成することにより、軟骨細胞での発現を確認した。現在CRISPR/Cas9システムを用いて、ノックアウトマウスを作成中である。さらに、Runx2遺伝子領域のクロマチン免疫沈降シーケンス(ChIP-Seq)既存データベースから骨芽細胞でのクロマチン修飾(H3K27ac, H3K4m1, H3K4m2, H2A.Z)を検討し、14個の候補エンハンサーを決定した。また、この14領域の候補エンハンサーのうち、8領域に関しては、CRISPR/Cas9システムを用いてそれぞれを欠失するマウスを2系統ずつ作成することに成功した。そのうち4領域(Runx2+0.18, 0.36, 0.46 と 0.77kb) のノックアウトマウスにおける骨・軟骨の表現型解析を行った。各発生段階 (E15.5の長管骨:主に軟骨細胞からなる; E16.5の長管骨:軟骨細胞と骨芽細胞からなる;E18.5の頭蓋:骨芽細胞からなる)でのRunx2遺伝子発現解析および8週齢マウスの大腿骨のマイクロ CT解析を行ったが、これらの欠失マウスでは、Runx2遺伝子発現の低下、骨形成の低下はともに認めなかった。現在、残り4領域の欠失マウスの解析及び6領域の欠失マウスの作成を行っている。また、Runx2遺伝子領域のクロマチン修飾を詳細に調べるために、骨・軟骨組織、初期培養骨芽細胞、軟骨細胞のマイクロマス培養からChIP-Seq用のサンプル採取をほぼ終了している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の2年目の目標は8割は達成しており、来年度にも順序に続く研究成果となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在に至るまでに、多数のエンハンサー候補の欠失マウスを作製しているが、高頻度でノックアウトマウスを得ており、今後、その解析を行っていく計画となっている。 ノックアウトマウスで顕著な変異が見られたエンハンサーは、組織特異的な発現を検索するためGFPレポーターマウスを作製し、またレポーターアッセイで活性に必要な領域を特定する。
|