2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J06631
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 善隆 名古屋工業大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 光化学 / ナトリウム / プロトン / ポンプ / 分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
光駆動ナトリウムポンプKR2は、ナトリウムを細胞質側から細胞外側へと一方向に輸送する。これまでの研究で、KR2は細胞外側にナトリウム結合サイトを持つことがわかっていたが、その役割についてははっきりと分かっていなかった。私達はアムステルダム自由大学(オランダ)・John T. M. Kennis教授のグループと共同で、フェムト-サブミリ秒誘導ラマン分光法を用いて光反応ダイナミクスを調べることで、ナトリウム結合サイトに関する新たな知見を得ることに成功した。細胞外側にナトリウムが結合していない状態では、ピコ-マイクロ秒領域に観測されるK/LおよびL/M中間体の平衡がL中間体側に偏ることが明らかにり、一方で、輸送するイオンの種類はこの時間領域の光反応ダイナミクスに影響を与えないことが明らかになった。本研究成果はPhysical Chemistry Chemical Physicsに掲載されている(第4著者)。 また、新たなイオンポンプ「光駆動内向きプロトンポンプ」について報告した。これまでに見つかっていた外向きプロトンポンプとの比較により、イオン輸送の方向性について研究を行なっている。我々は、海洋性細菌Parvularcula oceaniの遺伝子上から発見された3つの新たなロドプシンに対して、発現確認と機能測定を行ない、その内の1つが光駆動内向きプロトンポンプの機能をもつことを明らかにした。さらに、この光駆動内向きプロトンポンプPoXeRに対して各種分光測定を行ない、その性質と機能メカニズムの一端を明らかにした。成果はNature Communicationsに掲載されている(第3著者)。イオン輸送の方向性制御機構の解明は、光駆動ポンプの研究における重要な課題の一つである。今後、ナトリウムポンプのメカニズム研究・機能改変への波及が期待される。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Toward Automatic Rhodopsin Modeling as a Tool for High-Throughput Computational Photobiology2016
Author(s)
Federico Melaccio, Maria del Carmen Marin, Alessio Valentini, Fabio Montisci, Silvia Rinaldi, Marco Cherubini, Xuchun Yang, Yoshitaka Kato, Michael Stenrup, Yoelvis Orozco-Gonzalez, Nicolas Ferre, Hoi Ling Luk, Hideki Kandori, Massimo Olivucci
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Journal Title
J. Chem. Theory Comput.
Volume: 12
Pages: 6020-6034
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] Microbial rhodopsins with unique photoreaction2016
Author(s)
Yoshitaka Kato, Keiichi Inoue, Shota Ito, Satoshi Tsunoda, Yurika Nomura, Hideki Kandori
Organizer
The 54th Annual Meeting of the Biophysical Society of Japan
Place of Presentation
Tsukuba, Japan
Year and Date
2016-11-25 – 2016-11-27
Int'l Joint Research