2015 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーに依存しない新規ミトコンドリア分解経路の実体解明
Project/Area Number |
15J06634
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 翔 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | メンブレントラフィック |
Outline of Annual Research Achievements |
出芽酵母では、基質を取り囲んだ液胞膜が直接内腔へと陥入することで基質の分解を行うミクロオートファジーという現象が知られる。本研究では、ミトコンドリアを基質としたミクロオートファジー、ミクロマイトファジーに注目し、解析を行った。本年度はミクロマイトファジーが誘導される条件を探索した。酵母細胞を長期間窒素源飢餓にさらすと、電子顕微鏡においてミクロマイトファジーの誘導が観察された。しかし、ウェスタンブロットにより、ミトコンドリアの分解を評価したところ、検出限界以下であった。このことから、ミクロマイトファジーによるミトコンドリア分解は非常に寄与が小さいことが分かった。そこで、ミクロオートファジーにより分解を受けるミトコンドリア以外のオルガネラや膜タンパク質を探索した。その結果、オートファゴソームの外膜に局在する膜タンパク質がミクロオートファジーにより分解されることを見出した。興味深いことにこの分解はESCRT複合体を必要とした。これらの結果より、ミクロオートファジーの新たな基質として膜タンパク質であるAtg9を見出し、この分解にESCRT複合体が必要であること見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミクロオートファジーの新たな基質として膜タンパク質であるAtg9を見出し、この分解にESCRT複合体が必要であること見出したことから、計画は順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はESCRTタンパク質がどのようにAtg9の分解に機能するのか、その分子機構を解析していく予定である。ESCRT複合体はエンドソームにおける陥入構造の形成に寄与することが示されているが、ごく最近、ESCRTタンパク質が液胞膜に局在し、液胞膜タンパク質の分解に機能することが示されており、Atg9の分解にもESCRTタンパク質が直接機能していることが予想される。まず、ESCRT複合体がAtg9の分解に直接関与するのか、明らかにするため、ESCRT複合体とAtg9の相互作用があるか、解析を行う。相互作用がみられた場合は、その相互作用が失われる変異体を取得し、その相互作用の意義を解析する。また、ESCRT複合体による制御を受ける場合、基質はユビキチン化を受ける必要がある。実際、Atg9とユビキチンは強い相互作用があることが報告されており、Atg9が実際にユビキチン化を受けているのか、受けているとしたらどのリジン残基が受けているのか、明らかにし、ユビキチン化の意義について議論する。平行して、液胞膜上に機能する機能未知タンパク質を中心にAtg9の分解への寄与を評価し、ミクロオートファジーによるAtg9の分解に必要なタンパク質を明らかにする。これらの実験結果を統合し、ミクロオートファジーによるAtg9の分解の分子機構に迫る。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Phospholipid methylation controls Atg32-mediated mitophagy and Atg8 recycling.2015
Author(s)
Kaori Sakakibara, Akinori Eiyama, Sho W Suzuki, Machiko Sakoh-Nakatogawa, Nobuaki Okumura, Motohiro Tani, Ayako Hashimoto, Sachiyo Nagumo, Noriko Kondo-Okamoto, Chika Kondo-Kakuta, Eri Asai, Hiromi Kirisako, Hitoshi Nakatogawa, Osamu Kuge, Toshifumi Takao, Yoshinori Ohsumi, Koji Okamoto
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Journal Title
EMBO J.
Volume: 34(21)
Pages: 2703-2719
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant