2015 Fiscal Year Annual Research Report
動的応答性と光機能を有するナノゲルの構築とバイオイメージング
Project/Area Number |
15J07012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉井 達之 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | ナノゲル / 多糖 / 蛍光 / センサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ナノゲルへの光機能性分子の導入によって蛍光メカノセンサーを開発し、特定の細胞と周囲の環境との間に働いている「力」を可視化・定量し、細胞の力学応答のメカニズムを明らかにすることを一つの目的とする。また、同様にナノゲルへの光機能性分子の導入によってタンパク質検出材料の作製も目指す。本年度、申請者はポリマー側鎖への導入が容易なアミンやアセチレンなどの官能基をピレン・クマリン・BODIPYなどの蛍光色素に修飾した化合物群を合成した。これらの化合物を親水性多糖であるプルランの側鎖にHuisgen環化反応などによって導入した。得られたポリマーが、水中でナノ粒子を形成していることがDLSなどの評価から明らかとなった。また、本研究では力学応答による蛍光変化の実現が不可欠であるが、そのコンポーネントとして、金ナノ粒子が有用であると考えられたため、金ナノ粒子の専門家である米国マサチューセッツ大学のRotello教授の研究室に訪問し、研究を行った。そして、粒径の制御された金ナノ粒子の作製に成功した。また、PCAやLDAなどの多変量データ解析技術を習得することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有機合成やポリマー分子への色素導入がうまく進んだことから、合成ルートの確立ができたと言える。また、合成して得られたポリマーが、水中でナノ粒子を形成していることが明らかとなり、申請者の分子設計戦略が有効であることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたポリマーに対し、吸収・蛍光スペクトルを測定し、力学変化やタンパク質への応答について検討していく。その結果を元に、さらにマテリアルの最適化を行う。また、細胞接着モジュールなどの導入なども進めていく。
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Research Products
(1 results)