2015 Fiscal Year Annual Research Report
新興コロナウイルスの出現予測を目的としたコロナウイルス進化メカニズムの解析
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15J07066
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
寺田 豊 山口大学, 連合獣医学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | エマージングウイルス / コロナウイルス / 猫 / 病原性 / ウイルス進化 / 逆遺伝子操作系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では猫コロナウイルス(FCoV)を用いて、遺伝子変異による病原性獲得機構を明らかにすることを目的とし、以下の研究を遂行した。1)低病原性FCoVである猫腸コロナウイルス(FECV)と強毒である猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)の遺伝子解析を実施し、病原性に関与する遺伝子変異を解析2)遺伝子変異による病原性の変化を調べるための基盤技術となるFIPV逆遺伝子操作系の確立 1)病原性獲得への関与が示唆されている遺伝子領域4か所(ORF3c, 7b, スパイク蛋白質(フリン開裂部位、fusion peptide))について、日本で分離、検出されたFECV及びFIPVの遺伝子解析を実施した。その結果、①ORF3cではFIPV 6株中2株が欠損によるフレームシフトによって不完全な蛋白質をコードしていた。②ORF7bでは大きな変異は認められなかった。③フリン開裂部位では多くのアミノ酸変異がFIPVで認められたが、FIPV特異的な変異は見られなかった。④fusion peptideにおいて、FECV 10株の全てが1058番目のアミノ酸がメチオニンであったのに対し、FIPVは14株中10株が1058番目のメチオニンがロイシンに変異していた。以上の結果から、スパイク蛋白質fusion peptide領域の1058番目のアミノ酸変異がFIPVに特異的なものであると考えられた。この成果はFIPの診断法の発展に寄与するとともに、今後のFIPの病原性解析に有用であると考えられる。 2)高いFIP起病性を有するFIPV C3663株を用いた、Bacterial Artificial Chromosome (BAC)システムによるFIPVの逆遺伝子操作系の確立を試みている。現在までにBACプラスミド(pBeloBAC)へC3663株ゲノム全長の約半分を組み込むことに成功している。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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[Journal Article] Establishment of serological test to detect antibody against ferret coronavirus.2016
Author(s)
Minami S, Terada Y, Shimoda H, Takizawa M, Onuma M, Ota A, Ota Y, Akabane Y, Tamukai K, Watanabe K, Naganuma Y, Kanagawa E, Nakamura K, Ohashi M, Takami Y, Miwa Y, Tanoue T, Ohwaki M, Ohta J, Une Y, Maeda K.
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Journal Title
Journal of Veterinary Medical Science
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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