2016 Fiscal Year Annual Research Report
スピン電荷結合系における非共面磁性相に起因した特異な物性の実空間および実時間解析
Project/Area Number |
15J07157
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小澤 遼 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | スキルミオン / スピン電荷結合系 / 非共面磁気秩序 / 大規模数値計算 / 磁壁 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は本研究で、電子の持つ電荷とスピンの自由度が結合した系が示す新奇な磁性や伝導現象を、大規模な数値シミュレーションを用いて明らかにした。本研究実績は主に4つである。一つ目は、結合定数が弱い場合に一般的な電子フィリングにおいて、従来の研究では知られていなかった新しい非共面的な磁気秩序があらわることを示したものである。また、スピン電荷結合の摂動展開を行うことで、その磁気秩序の安定化機構を明らかにした。二つ目は、三角格子上において、非従来型のトポロジカル数が高いスキルミオンが安定に発現することを見出したものである。スキルミオンは、トポロジカルな性質によって守られた堅牢な性質から、次世代の磁気デバイスへの応用が期待されているが、本研究では、従来の研究で見つかっていたものよりトポロジカル数が高い2のスキルミオンを見つけた。また、外部磁場によってトポロジカル数が2, 1, 0と多段転移することを見出した。このトポロジカル数の多段転移を用いることで、磁気デバイスへの応用の幅がさらに広がることが期待される。三つ目は、磁気ドメインが形成する過程に関するものである。本研究では、従来の研究で明らかになっていた局在スピン系における磁気ドメインの振る舞いとは異なって、スピン電荷結合系に特有の伝導電子の波数空間の性質に依存した磁気ドメイン形成機構があることを明らかにした。四つ目は、計算手法を改良して、基底状態を探索するのに必要なシミュレーションでの緩和を早くしたものである。実験で用いられているフローティングゾーン法をモチーフに、シミュレーション上で局所的に温度が高い領域をスイープさせることで、実際に磁壁ができて準安定になったスピン配置から単一の磁区からなるスピン配置が現れることを示した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)