2015 Fiscal Year Annual Research Report
高速微細オーロラの時間空間分布に基づくオーロラダイナミクス研究
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15J07466
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 陽子 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | フリッカリングオーロラ / 波動粒子相互作用 / 高速撮像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、数km以下のオーロラ構造が数Hz~15Hzで周期的に明滅するフリッカリングオーロラの形成メカニズムを解明するために、アラスカ州フェアバンクスで地上高速撮像の連続観測を行い、その基礎特性や出現特性の統計解析を行った。高速撮像の連続観測を行うにあたり、2014年度に試験的に行っていたオーロラの出現に応じた自動観測システムの性能評価を行った。オーロラの自動判定には機械学習を用いており、その判定結果は目で見たオーロラの判定結果の9割と一致していた。また、データ量は自動観測を行わない時に比べて約1/4に抑えられており、効率的に解析に有用なデータを取得できることが分かった。この観測システムは2015年度の観測に向けて改良され、2016年1月中旬より3ヶ月分のデータを蓄積できている。得られたデータを用いて、フリッカリングオーロラの基本的な特性として、その明滅強度と背景オーロラの発光強度の関係について調べたところ、フリッカリングオーロラの振幅は主に5~20%で、背景の明滅していないオーロラの発光強度が強くなるほど、フリッカリングオーロラの振幅が下がる傾向が得られた。これは、背景オーロラの明るさに関連する降下電子の速度と、明滅を形成する波動の速度差から生じる加速電子のフラックスの違いを示すものだと考えられる。また、フリッカリングオーロラの明滅を形成する波動を調べるために、明滅構造の振動数と空間スケールを解析することで、波動の分散関係を推定可能である。現在、統計的な解析を実施中で、この結果によりフリッカリングオーロラを形成する波動が特定され、発生メカニズムの解明に繋がることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フリッカリングオーロラの典型周波数と空間スケール、また背景オーロラの発光強度による明滅の振幅変化に関する初期結果は得られたが、統計解析までは達成できていないため。また、明滅を形成する波動の特定ができておらず、発生メカニズムの議論が不十分なため。
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Strategy for Future Research Activity |
2014-2015年度に取得したデータを用いて、発生メカニズムを特定するための統計解析をさらに進める。また、2015年度は2014年度に比べて高速サンプリングで観測を行っているため、より高速のフリッカリングオーロラが観測されているか解析を行う。これらの結果を、学会で発表し論文として投稿する予定である。
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Research Products
(5 results)