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2015 Fiscal Year Annual Research Report

神経変性疾患における原因蛋白質の伝播現象の解明

Research Project

Project/Area Number 15J07477
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

小林 玲央奈  慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2015-04-24 – 2017-03-31
Keywords神経変性疾患 / タンパク質伝播 / TDP-43 / α-Synuclein
Outline of Annual Research Achievements

平成27年度は、in vitro伝播モデルの作製に先行して、培養細胞の異常蛋白質の取り込みおよび細胞内凝集体形成を確認後、細胞間伝播現象について検証を行うことを目的とした。まず、TDP-43がCaspase認識部位で切断されるとN末/C末で異なる凝集性をもつことが推測されることから、二重標識TDP-43を作成し、各断片の追跡を可能にした。標識用の蛍光タンパク質として、N末側にKatushka(赤色)、C末側にVenus(緑色)と、励起波長の離れた蛍光タンパク質を融合した。レンチウィルス作製の際にHEK293T細胞に発現させたところ、TDP-43のC末側のみに蛍光タンパク質を融合させた片側標識TDP-43と二重標識とで異なる発現状態となった。片側標識のTDP-43は、主に細胞質に均一にVenusのシグナルを検出したが、一方で二重標識TDP-43を強発現した細胞では、細胞質にKatushka、Venusが共局在する構造物を認めた。また、Venusは核及び細胞質に同等のシグナルを認めたが、Katushkaは細胞質でのシグナルが強く、KatushkaとVenusで異なる挙動を示していることからTDP-43がCaspase切断部位で切断されていることが示唆された。尚、TDP-43の核局在性と相関せず細胞質においてもシグナルを検出したが、強発現による影響の可能性について今後ウイルスを用いて確認する必要がある。
In vitroの伝播モデル作製と並行して行ってきたマーモセットTg系統の解析では、歩行障害・睡眠障害を認めるとともに、PET解析による脳画像解析においても変化を認めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

In vitroの伝播モデル作製と並行して行ってきたマーモセットTg系統の解析の中で新たな展開があり、平成27年度は急遽マーモセット解析を重点的に行ったため、in vitroの解析が当初の予定を達成していない項目が存在する。これについては平成28年度に達成できるよう遂行するとともに、局在確認や蛍光タンパク質の検討などKIマウスの細胞を必ずしも必要としない場合は、既に保存済みで接着・分化までの時間が早いマーモセットニューロスフェア等を用いて効率化を図る。また、マーモセットを用いたin vivo解析を行う中で見出した現象は、過去の報告と組み合わせると細胞種ごとの伝播能の違いを支持する現象であることから、本研究結果を参考にin vitroの実験に使用する細胞種として注目し、in vitroの現象との相関を検証する。

Strategy for Future Research Activity

今後の推進方策としては、マウス初代培養ニューロンを用いてTDP-43タンパク質のN/C末それぞれの局在を確認すると同時に異常局在を引き起こすレンチウィルス感染条件を確立する。更に細胞種依存的な伝播レベルを考慮し、異種細胞の同時培養を行い、変化を調べる。当初の計画では、TDP-43タンパク質のN/C末にそれぞれ波長の異なる蛍光タンパク質を融合させた二重標識TDP-43を用いて、Cleaved Caspase3 により切断され生成したそれぞれの断片について、挙動を追跡する方針であった。現在までの結果から、片側標識と二重標識で同じC末断片でも異なる挙動を示していることから、標識が影響して本来とは異なる挙動を示している可能性がある。これについてはニューロンにおける局在を検証しておく必要があるが、ニューロンでも二重標識による影響が示唆された場合には、これまでに凝集性が高いと報告のあるC末断片のみを標識した片側標識TDP-43での解析を行う。N末断片の異常が予測される場合には、N末側の配列を認識する抗体による免疫染色により情報を補う。また標識の影響が大きく解析が難しい場合は、TDP-43と同様に伝播現象を支持する所見が報告されているα-Synucleinで代替することも考慮に入れている。α-SynucleinはTDP-43とは異なり断片化が主要な病変原因ではないと予測されるにも関わらず、伝播能を持つと推測されることから代替タンパク質として適していると考える。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] α-Synuclein aggregation in the olfactory bulb of middle-aged common marmoset2016

    • Author(s)
      Reona Kobayashi, Junko Takahashi-Fujigasaki, Seiji Shiozawa, Chikako Hara-Miyauchi, Takashi Inoue, Hirotaka James Okano, Erika Sasaki, Hideyuki Okano
    • Journal Title

      Neuroscience Research

      Volume: 106 Pages: 55-61

    • DOI

      10.1016/j.neures.2015.11.006

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] α-Synuclein aggregation in the olfactory bulb of middle-aged common marmoset2016

    • Author(s)
      Reona Kobayashi, Junko Takahashi-Fujigasaki, Seiji Shiozawa, Chikako Hara-Miyauchi, Takashi Inoue, Hirotaka James Okano, Erika Sasaki, Hideyuki Okano
    • Organizer
      第5回 日本マーモセット研究会大会
    • Place of Presentation
      東京慈恵会医科大学(東京都港区)
    • Year and Date
      2016-01-27 – 2016-01-28
  • [Presentation] Pathological investigation of Parkinson’s disease using a mutated α-Synuclein (A30P) transgenic marmoset2015

    • Author(s)
      Reona Kobayashi, Chikako Hara-Miyauchi, Junko Okahara, Junko Takahashi-Fujigasaki, Fumiko Ozawa, Takuji Maeda, Hirotaka James Okano, Erika Sasaki, Hideyuki Okano
    • Organizer
      第38回日本神経科学大会
    • Place of Presentation
      神戸国際会議場・神戸国際展示場(兵庫県神戸市)
    • Year and Date
      2015-07-28 – 2015-07-31

URL: 

Published: 2016-12-27  

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