2016 Fiscal Year Annual Research Report
眼内血管新生に対するHB-EGFの役割に関する研究
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15J07670
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
井上 雄有輝 岐阜薬科大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | HB-EGF / 眼内血管新生 / EGF受容体 / HRMECs |
Outline of Annual Research Achievements |
1.VEGF誘発細胞増殖に対するEGF受容体の関与の検討: In vitroにおいて、血管新生におけるEGF受容体の関与について明らかにすることを目的とする。ヒト毛細血管内皮細胞 (HRMECs) を用い、EGF受容体阻害薬であるAG1478を用いることで、VEGF誘発増殖を抑制した。これにより、VEGF誘発細胞増殖において、EGFリガンドが関与している可能性が示唆された。 2. VEGF誘発細胞増殖に対するEGFリガンドのmRNA発現量変化の検討: In vitroにおいて、血管新生におけるEGFリガンドの関与について明らかにすることを目的とする。HRMECs を用い、VEGF添加後に経時的にサンプリングを行い、EGF及びHB-EGFのmRNA発現量を検討した。これにより、VEGF添加後にHB-EGFは1時間後より有意に上昇し、その上昇は6時間後まで続いた。一方で、EGFはVEGF添加3時間後に上昇したが、6時間後には低下した。これにより、EGFリガンドの中でもHB-EGFの寄与が大きい可能性が示唆された。 3.HB-EGFシェディング酵素の検討: In vitroにおいて、HB-EGF切断酵素について明らかにすることを目的とする。HRMECsを用い、siRNAを用い、ADAM17及びADAM12をノックダウンした。ADAM17またはADAM12ノックダウン下VEGFを添加後、有意な細胞増殖抑制が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は下記の実験を行い、成果を得ており、これらを論文として投稿している段階である。 【実験結果】 1.VEGF誘発細胞増殖に対するEGF受容体の関与の検討: In vitroにおいて、血管新生におけるEGF受容体の関与について明らかにすることを目的とする。ヒト毛細血管内皮細胞 (HRMECs) を用い、EGF受容体阻害薬であるAG1478を用いることで、VEGF誘発増殖を抑制した。これにより、VEGF誘発細胞増殖において、EGFリガンドが関与している可能性が示唆された。 2. VEGF誘発細胞増殖に対するEGFリガンドのmRNA発現量変化の検討: In vitroにおいて、血管新生におけるEGFリガンドの関与について明らかにすることを目的とする。HRMECs を用い、VEGF添加後に経時的にサンプリングを行い、EGF及びHB-EGFのmRNA発現量を検討した。これにより、VEGF添加後にHB-EGFは1時間後より有意に上昇し、その上昇は6時間後まで続いた。一方で、EGFはVEGF添加3時間後に上昇したが、6時間後には低下した。これにより、EGFリガンドの中でもHB-EGFの寄与が大きい可能性が示唆された。 3.HB-EGFシェディング酵素の検討: In vitroにおいて、HB-EGF切断酵素について明らかにすることを目的とする。HRMECsを用い、siRNAを用い、ADAM17及びADAM12をノックダウンした。ADAM17またはADAM12ノックダウン下VEGFを添加後、有意な細胞増殖抑制が認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
HB-EGFと眼内血管新生における役割について、これまででたin vivoおよびin vitro試験の結果を踏まえ、それらのギャップを埋める実験を行う。具体的には、in vivoにおいて、HB-EGF欠損マウスにおいて、内皮細胞増殖が抑制されているか否か、ADAM12および17はin vivoにおいて活性化しているか否かについて検討する。 また、滲出型加齢黄斑変性症 (wet-AMD) の病態において、抗VEGF抗体が治療薬として承認され、血管新生や浮腫に対する作用は認められている。しかしながら、抗VEGF抗体投与後の線維化瘢痕の問題が報告されている。この線維化瘢痕形成過程には、RPEの上皮間葉転換 (EMT) が関与していることが報告されている。EMTは多くの病態において、fibrosisとの関与が示唆されている。また、HB-EGFは角化細胞におけるEMTの報告が刺されている。しかしながら、眼科領域においては、現在、RPEのEMTを主に引き起こすことはTGF-βやトロンビンで報告されているが、HB-EGFにおいてはその作用は報告されていない。したがって、wet-AMDにおける治療薬開発が考えた場合に血管新生促進作用を有する以外に抗VEGF抗体との差別化を図る必要がある。病態進行過程においてHB-EGFがEMTからfibrosisが引き起こされる過程における関与を明らかにすることは意義があると考えられる。そのため、HB-EGFのFibrosisに対する関与について検討していく予定である。
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[Journal Article] RS9, a novel Nrf2 activator, attenuates light-induced death of cells of photoreceptor cells and Muller glia cells.2017
Author(s)
Inoue Y., Shimazawa M., Noda Y., Nagano R., Otsuka T., Kuse Y., Nakano Y., Tsuruma K., Nakagami Y. and Hara H.
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Journal Title
Journal of Neurochemistry
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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