2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15J07958
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小松田 麦子 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 摂食行動 / 自由走行運動 / COX-2 / ドーパミン |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究結果により、脳の扁桃体内側核ではRWケージでの飼育で発現量が2倍以上増加したものが6遺伝子、0.5倍以下に減少したものが13遺伝子確認された。これらのうち、RWケージでの飼育で発現量の増加が見られた遺伝子の中から、摂食量を減少させる作用があり、かつグルココルチコイドによって発現が抑制される性質のあるプロスタグランジン類の合成酵素であるcyclooxygenaze-2(COX-2)に注目した。COX-2阻害剤(NS-398)を脳室内投与したところ、通常ケージ飼育下のTGでは摂食量が変化しなかったが、RWケージ飼育下のTGでは摂食量減少が阻害された。このことから、自由走行運動によるTGの摂食量正常化にはCOX-2の働きが関与していることが示唆された。背側縫線核をサンプルに用いたDNAチップでは、摂食量の制御に関わる遺伝子発現量の変化は確認されなかった。そこで、自由走行運動により興奮した神経群が背側縫線核に細胞体が多く存在するセロトニン(5-HT)ニューロンまたはドーパミンニューロンである可能性を考え、5-HTとドーパミン合成酵素のTyrosine Hydroxylase (TH)とのc-fosの二重免疫組織染色を行った。C-fos陽性細胞のうち5-HT、THと共陽性であったものはそれぞれ全体の約5%、約40%であった。そこで、背側縫線核に細胞体が存在するドーパミンニューロンの主な投射先である側坐核におけるドーパミン受容体の遺伝子発現量を比較したところ、WTでは差が認められなかったが、TGでは1型、2型受容体ともにRWケージでの飼育によって発現量が増加した。このことから、自由走行運動がドーパミンニューロンの興奮性と受容体の発現量の双方向から、ドーパミンシグナルを増強していることが示唆された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)