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2015 Fiscal Year Annual Research Report

エイコサペンタエン酸摂取は運動トレーニング効果を骨格筋にもたらすのか

Research Project

Project/Area Number 15J07972
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

小宮 佑介  九州大学, 生物資源環境科学府, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2015-04-24 – 2017-03-31
Keywords骨格筋 / エイコサペンタエン酸 / 脂肪代謝
Outline of Annual Research Achievements

申請者はエイコサペンタエン酸により骨格筋の代謝の改善により運動による効果を模倣できないか検証することを目的としている。これまでにEPA添加により、ラット骨格筋細胞で脂肪代謝関連酵素およびミトコンドリアマーカーのmRNA発現量が増加することを明らかにしている(in vitro)。平成27年度はこれらについてタンパク質レベルでの解析を行った。ラット筋芽細胞株L6を分化誘導培地にて10日間培養を行い、筋管を形成させた。培地中に終濃度30 μMとなるようにEPAを添加し、120時間後にタンパク質を抽出し、脂肪代謝関連酵素であるピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ(PDK)4およびミトコンドリアマーカーであるporinの発現量をウエスタンブロッティング法を用いて確認した。その結果、EPAの添加によりPDK4およびporinの発現量の増加が観察された。このことよりEPAはタンパク質レベルでも脂肪代謝関連因子の発現量を増加させることが示唆された。次に生体への影響を確認するためにEPAの経口投与試験を行った。4週齢のF344雄性ラットに10, 50, 250, 500, 1000 mg/kg体重の濃度でEPAエチルエステル(扶桑薬品工業株式会社 エパフィールカプセル3000)の投与を行った。投与から6時間後に骨格筋を摘出し、PDK4およびporinのmRNA発現量を確認した。その結果、EDL筋においてPDK4の発現量が250, 1000 mg/kgでvehicle群に比べ有意に増加することが明らかになった。また1000 mg/kg投与群ではporinの発現量も増加傾向にあった。これらの結果からEPAは生体においても脂肪代謝因子の発現量を増加させることが示唆された。上記のEPA単回投与試験より至適投与量を1000 mg/kg体重と決定し、この投与量で慢性投与試験を行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初の予定通り本年度はin vivoの試験をメインとして順調に進展している。単回投与試験では生体においてもエイコサペンタエン酸(EPA)によって脂肪代謝関連因子の発現量が増加することの確認、慢性投与試験へ向けてのEPAの至適濃度の検討も行い、着実に成果を上げている。単回投与試験の結果を受けて、すでに慢性投与試験を開始する準備は整っている。in vitroの試験において、これまではmRNAレベルでの解析しか行っていなかったが、それに加えて今年度はタンパク質レベルでの解析にも取り組んだ。タンパク質レベルでの解析において、当初は単離筋線維を用いて行う予定であったが、長期培養にあたり筋萎縮等の様々な要因から安定した結果が得られなかったが、筋芽細胞株から誘導した筋管を用いることで解決した。学術集会にも積極的に参加しており、今年度は2回の研究発表を行っている。

Strategy for Future Research Activity

今後はエイコサペンタエン酸(EPA)慢性投与試験の解析を中心に行っていく。摘出後の骨格筋組織の脂肪代謝に関連する酵素、ミトコンドリアマーカーなどをmRNAおよびタンパク質レベルで解析する。また骨格筋の筋線維タイプの指標の一つと言われているミオシン重鎖アイソフォームの解析を行う。呼気ガスおよび筋持久力の測定も行い、エネルギー基質および運動機能への影響も確認する。次にEPAによる影響を網羅的に確認するために細胞を使用して、トランスクリプトームおよびメタボローム解析を行う。当初はin vivoで行う予定であったが、ホルモンなどその他の因子による影響が考えられる。そこでEPAの骨格筋細胞へのダイレクトな影響による網羅的な変化を確認するためにin vitroでの実験に変更する予定である。運動との比較という観点では、すでに運動により活性化することが知られているTCA回路や脂肪酸β-酸化などの基質の量がEPAの添加により増加するかなどをメタボローム解析で確認する。また運動による遺伝子発現の変動はすでにデータベースが充実しているため、細胞レベルで網羅的にそれらの遺伝子が変動するかを照合して確認する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2016 2015

All Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Chronic administration of eicosapentaenoic acid increased fat utilization by up-regulating oxidative metabolism related genes of skeletal muscle in rats.2016

    • Author(s)
      Yusuke Komiya, Jun Hai, Fuminori Kawabata, Mako Nakamura, Ryuichi Tatsumi, Ikeuchi Yoshihide and Wataru Mizunoya
    • Organizer
      The 17th AAAP Animal Science Congress
    • Place of Presentation
      福岡
    • Year and Date
      2016-08-22 – 2016-08-25
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] エイコサペンタエン酸はラット骨格筋の脂肪代謝関連遺伝子発現を増加させる2016

    • Author(s)
      小宮佑介、中村真子、辰巳隆一、池内義秀、水野谷航
    • Organizer
      第70回日本栄養・食糧学会
    • Place of Presentation
      兵庫
    • Year and Date
      2016-05-13 – 2016-05-15
  • [Presentation] エイコサペンタエン酸投与はラット骨格筋の脂肪代謝関連遺伝子発現を増加させる2016

    • Author(s)
      小宮佑介、中村真子、辰巳隆一、池内義秀、水野谷航
    • Organizer
      日本畜産学会第121回大会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      2016-03-27 – 2016-03-30
  • [Presentation] エイコサペンタエン酸はラット単離筋線維の脂肪代謝に関わるタンパク質発現を上昇させる2015

    • Author(s)
      小宮佑介、中村真子、辰巳隆一、池内義秀、水野谷航
    • Organizer
      日本畜産学会第120回大会
    • Place of Presentation
      北海道
    • Year and Date
      2015-09-11 – 2015-09-12

URL: 

Published: 2016-12-27  

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