2015 Fiscal Year Annual Research Report
NxrB遺伝子群に基づいた新規な亜硝酸酸化細菌の探索と系統学的な分類
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15J08166
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
牛木 章友 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 亜硝酸酸化細菌 / 機能遺伝子 / in situ RCA-FISH |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「NxrB遺伝子群に基づいた新規な亜硝酸酸化細菌の探索と系統学的な分類」を目的とし、①クローニングにより環境中のnxrB遺伝子の解析、収集、②nxrB遺伝子を保持する微生物をin situ RCA-FISH法による検出、③セルソーターで分取した微生物の菌種を16S rRNA遺伝子に基づく同定という3つのステップにより、nxrB遺伝子情報と16S rRNA遺伝子情報をリンクさせる。当該年度では第1、2ステップである環境中のnxrB遺伝子の解析とin situ RCA-FISH法による検出を検討した。 まず、nxrB遺伝子を解析するために現在までに判明しているNOBであるNitrobacter属、Nitrococcus属、Nitrospina属、Nitrospirae門のnxrB遺伝子配列に基づき、nxrB遺伝子を標的にしたPCR-プライマーを設計した。設計したプライマーを用いたPCR-クローニングにより排水処理場の活性汚泥由来の硝化リアクターからnxrB遺伝子を増幅し、その多様性と新規性を評価した。その結果、Nitrospirae門に近縁ではあるが、比較的新規な2つのnxrB遺伝子群が検出され、硝化リアクターには新規なnxrB遺伝子を保持する微生物が存在することが示唆された。 つづいて、in situ RCA-FISH法によるnxrB遺伝子を保持する微生物の検出を試みた。対象のnxrB遺伝子配列に特異的に結合するpadlockedプローブを設計し、亜硝酸酸化細菌Nitrospira分離株と硝化リアクター中の微生物サンプルの染色を試みた。その結果、in situ RCA-FISH法を利用することでnxrB遺伝子を保持する微生物を選択的に染色することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は「新規なnxrB遺伝子の探索」と「In situ RCA-FISHによる検出」を完了させており、当初計画していた段階まで達成しています。しかし、in situ RCA-FISHによる検出には成功しているが、新規なnxrB遺伝子の検出には至っていない。また、特に困難であると思われるin situ RCA-FISHで標識した微生物の選択的分離、さらに16S RNA遺伝子に基づく系統学的同定まで完了していないため、課題は多く残っています。しかし前述したように当初予定していた段階までは完了しているので、上記の評価にしました。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、in situ RCA-FISHによる染色した微生物の選択的分離を試みるが、in situ RCA-FISHが不安定であるため、セルソーターによる回収は困難であるかもしれない。そこで、セルソーターによる回収が困難である場合、レーザーマイクロダイセクションによる回収、フィルターを利用した染色、回収方法を試みる。
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