2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15J08226
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋元 陽平 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | フランス文学 / 自伝研究 / ロマン主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度における報告者の研究活動は、大きく二つに分けられる。 ①ひとつは自伝作品一般の生成に関する関心に端を発した作家研究であり、この点に関して報告者はこれまで研究対象としてきたロラン・バルトの自伝作品の生成に関する予備的考察をとりわけ演劇論の観点から行い、論文として発表した。 ②もう一つは前ロマン派を代表する作家であるシャトーブリアンの伝記的作品『ランセの生涯』をめぐる分析であり、とりわけ七月王政下における「老い」の歴史的含意を検討した。この成果は学会にて発表された。この分析は、一生涯の表象がとりわけ「老い」の主題の多層性によって特色づけられていることが指摘された。自伝研究の隣接分野と考えられる「伝記」「聖人伝」におけるこうした知見によって、次年度以降計画している自伝(回想録)との同主題に基づく比較研究のための基礎となるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
19世紀という特殊な時代背景を踏まえた作品分析に加え、自伝というジャンルの特殊性が作家自身によってより意識的にとりあげられるようになった20世紀のテクストをも分析対象に含めたことによって、次年度の研究へと繋がる成果を得ることができた。以上より、本年度に関して報告者は概ね期待通りの成果を得ることが出来たと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
「老い」の主題と一生涯の表象との連関を、自伝研究の領域で検討する。その際、作家の参照した聖書テクストや文学作品の19世紀フランスにおける受容史を踏まえて分析を行う。
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Research Products
(2 results)