2016 Fiscal Year Annual Research Report
変動の時間的な伝搬を利用した、活動銀河核のX線放射機構の探求
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15J08242
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三宅 克馬 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 活動銀河核 / セイファート / 「ひとみ」 / HXI / DSSD / 半導体検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
IC4329Aの NuSTARデータに対して、「すざく」データに用いたものと同様の手法で解析を行い、上記と一致する結果を得た。さらに、AGNが2つ以上の一次X線を持つという描像が、重力赤方偏移などの相対論的効果による解釈に対して、より大きな有意度を持つことを明らかにした。これらについて天文学会2016年秋季年会および7 years of MAXIにおいて発表した。 狭輝線セイファートI型AGN、SWIFT J2127.4+5654のNuSTARデータに対して、差分スペクトル法による解析を行った。その結果として、狭輝線セイファートI型AGNのX線スペクトルも、2つの一次X線が存在するという描像で説明できることを明らかにした。また、これらの一次X線が、注目するタイムスケールを変えることでそれぞれの変動性も有無が異なることを初めて発見し、それぞれの一次X線についてその変動のタイムスケールを制限できた。これにより、セイファートI型と狭輝線セイファートI型のX線スペクトルを、質量と質量降着率という2つのパラメータで統一的に扱える可能性を示唆した。これらの結果について、天文学会2017春季年会で講演した。 「ひとみ」衛星搭載のHard X-ray Detector (HXI) に使われたDouble-sided Silicon Strip Detector (DSSD) の表面付近の応答特性を、昨年度の地上実験で詳細に評価した。今回「ひとみ」の運用期間中に得られた軌道上データを解析し、それらが地上実験の結果と一致することを確認した。また、DSSDの表面付近の応答特性とHXIの軌道上性能について、SPIE Conferences + Exhibitionsで講演し、Stanford大学のKIPACでセミナーを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セイファート型の活動銀河核のNuSTARデータを用いて、硬X線でも我々の放射描像が成り立つことを検証した。また、これまでに同様の解析がなされていなかった狭輝線セイファートI型活動銀河核の解析によって、通常のセイファートI型との統一的な放射描像での解釈の手がかりを得た。 Double-sided Silicon Strip Detectorの実験結果をまとめ、国際学会で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに観測されている複数の狭輝線セイファートI型活動銀河核を時間変動解析し、それらの共通点を見出す。また、狭輝線セイファートI型とセイファートI型の特徴(各放射成分の割合やパラメータ、変動性など)の共通点や相違点をまとめ、それらの放射描像がどのように異なるかを調べる。
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[Presentation] Effects on hard x-ray response of a double-sided Si strip detector caused by interstrip surface charge2016
Author(s)
Katsuma Miyake, Shinya Saito, Toshio Nakano, Koichi Hagino, Shogo Benjamin Kobayashi, Kazufumi Okuda, Taketo Mimura, Goro Sato, Shin Watanabe, Motohide Kokubun, Kazuhiro Nakazawa, Shinichiro Takeda, Hiroyasu Tajima, Yasushi Fukazawa, and Tadayuki Takahashi
Organizer
SPIE Conferences + Exhibitions, Hard X-Ray, Gamma-Ray, and Neutron Detector Physics XVIII
Place of Presentation
San Diego (USA)
Year and Date
2016-08-28 – 2016-09-01
Int'l Joint Research