2016 Fiscal Year Annual Research Report
カベオリン-1に着目したHER2標的治療薬の細胞内動態の解明
Project/Area Number |
15J08264
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
重廣 司 岡山大学, 自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | HER2 / リポソーム / 抗体薬物複合体 / トラスツズマブ |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト上皮増殖因子受容体-2(HER2)を標的とする抗体医薬であるトラスツズマブ(Tras)はHER2陽性がん細胞に対する優れた治療薬である。本抗体は、低分子抗がん剤の薬剤輸送システムのためにも利用され、Tras結合低分子化合物(Tras-SM)およびTras提示イムノリポソーム(Tras-IL)が開発されている。本研究では、患者個人に最適なこれらのHER2標的治療薬の選択システムを構築することを目的とした。そして、Tras単体の細胞内移行促進因子である、カベオリン-1(Cav1)の発現に着目し、これらの剤型の細胞内動態の解析および治療効果の検討を行った。HER2陽性のSK-BR-3細胞とCav1を安定発現させたSK-BR-3/Cav1細胞を用い、異なる剤型のリソソーム移行量と抗がん活性を評価した。SK-BR-3細胞およびSK-BR-3/Cav1細胞に対して、Tras-SMはCav1依存的な細胞内移行量および抗がん活性を示した。一方で、Tras-ILは、どちらの細胞に対しても効率的に細胞内へ移行し、同等の抗がん活性を示した。これらの結果から、Tras-ILはHER2標的治療薬として有用な剤型であると結論付けた。また、タキサン系抗がん剤を効率的かつ多量に封入するリポソーム調製法を開発し、ドセタキセル封入リポソーム表面にHER2特異的ペプチドを提示するHER2標的リポソームを調製した。このHER2標的リポソームは、HER2陽性がん細胞選択的に優れた治療効果を発揮した。さらに、がん幹細胞における上皮ー間葉間の転換に注目し、この転換を生細胞で観測するためのレポーターシステムを構築した。本レポーターシステムを用いることによって、がん幹細胞を含む個々のHER2陽性がん細胞でのTrasの細胞内動態を解析できることが期待される。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Transient Tcf3 Gene Repression by TALE-Transcription Factor Targeting2017
Author(s)
J Masuda, H Kawamoto, W Strober, E Takayama, A Mizutani, H Murakami, T Ikawa, A Kitani, N Maeno, T Shigehiro, A Satoh, A Seno, A Vaidyanath, T Kasai, IJ Fuss, Y Katsura, M Seno
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Journal Title
Applied Biochemistry and Biotechnology
Volume: 180
Pages: 1559-1573
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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