2016 Fiscal Year Annual Research Report
細胞質から分泌経路の亜鉛トランスポーターへ亜鉛を受け渡す分子機構の解明
Project/Area Number |
15J08478
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
逸村 直也 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 亜鉛トランスポーター / ZnT5 / 亜鉛シャペロン |
Outline of Annual Research Achievements |
亜鉛トランスポーターZnT5とZnT6のヘテロダイマー(ZnT5-ZnT6)は、活性中心に亜鉛を必要とする亜鉛要求性酵素の活性化に不可欠である。このZnT5-ZnT6を介した亜鉛要求性酵素の活性化は、細胞質の亜鉛濃度の変動の影響を受けないことが示唆されている。またZnT5-ZnT6において、亜鉛輸送活性を保持しながら、亜鉛要求性酵素を活性化できない変異体も見出されている。従って、ZnT5-ZnT6による亜鉛要求性酵素の活性化過程において、細胞質から分泌経路へ亜鉛が送り込まれる際には、細胞質の亜鉛を分泌経路のZnT5-ZnT6へ受け渡す分子機構の存在が考えられる。加えて、亜鉛とは別の必須微量元素である銅において、細胞質の銅を分泌経路の銅トランスポーターATP7AやATP7Bに受け渡す、銅シャペロンATOX1が知られている。本研究では、このATOX1と同様に、ZnT5-ZnT6に相互作用して亜鉛の受け渡しを行う「亜鉛シャペロン」が存在する可能性について検討している。本年度は、HaloTagを融合したZnT5(HaloTag-ZnT5)による実験系を用いて、クロスリンカーを使用するなど新たな条件検討を様々に行い、HaloTag-ZnT5と相互作用する因子の精製を進めたが、特異的な因子を特定するには至らなかった。また、細胞質において亜鉛の恒常性維持に機能することが知られるメタロチオネインなどの分子が、HaloTag-ZnT5と相互作用する可能性についても検討を行なったが、いずれの解析でも相互作用は検出できなかった。今後の研究の発展に有用と考えられる細胞株の作出、および解析系の確立には成功したものの、本年度においては全体として確たる進展は得られていない。現在、新たに作出した細胞株を用いて、タンパク質精製のための条件検討を重ね、因子の同定に最適な条件の確立を進めている。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)