2016 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアゲノム及び核ゲノム情報を用いた古代中国人類集団の遺伝的背景の解明
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15J08490
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
石谷 孔司 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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| Keywords | 古人骨ゲノム / NGS / パイプライン / 解析ツール |
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| Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は本研究の中期段階として，古人骨ゲノム解析パイプラインの改良，ヒトミトコンドリアゲノム統合解析ツールの改良，さらにコンタミネーション（混入配列）に対する分析手法の開発等を中心に実施した．既存のヒトゲノム用のリシーケンシングパイプラインでは，古人骨ゲノムデータを扱った際のゲノムマッピングの精度や解析効率の低下，コンタミネーション等の様々な問題が生じる．そこで，ヒトゲノムリシーケンシング解析の主要なパイプラインを実データ（古人骨NGSデータ）やシミュレーションデータを用いて検証を行った．検証結果を元にこれまでのパイプラインを見直し，新たな分析ツールや自作スクリプトによるフィルタリングを組み合わせた古人骨ゲノム解析用のリシーケンシングパイプラインを構築した．本パイプラインはこれまでのパイプラインに比べマッピング精度や解析効率の面で改善が見られている．今後得られた検証結果と新規パイプラインについてまとめた論文を投稿予定である．ヒトミトコンドリアゲノム統合解析ツールについては，操作画面の改良やアノテーション（変異箇所に対する関連情報の付加）機能の追加，カスタマイズデータに対応することで機能性と汎用性の両面で改善が見られた．本ツールの概要をまとめた論文は現在査読中である．コンタミネーションを推定するための分析手法については，実データとシミュレーションデータを用いた検証を行った．分析手法と検証結果は関連学会にて発表を行った．来年度以降は，上記で構築した新規パイプラインや分析手法を組み合わせて，信頼度の高い古人骨ゲノム解析を行っていきたい．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定していたように古人骨試料を用いた次世代シークエンスには様々な課題があり，解析手法における問題点を解決するための方策が必要であった．従って，初年度及び次年度はパイプラインの構築及び改良や解析手法の開発を中心に進めてきた．この成果として，既存の解析手法に比べ信頼度の高い古人骨ゲノム解析が実現出来たと考えている．さらには，公共データベースに公開された古人骨ゲノムを含む大規模なヒトゲノムデータの収集及び管理を進めており，集団遺伝学的解析を実施出来る環境を構築出来ている．現在は古人骨試料の実験プロトコルの改良を含め，古人骨試料のシークエンシングを順次進めている．以上から古人骨ゲノム解析を実施するための環境構築は整えられており，シークエンシングの進捗状況と併せて進展があると考えている．最終年度はミトコンドリアゲノムに加え，状態の良いサンプルに関しては核SNPsを用いた集団解析へと移行したい．
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの古人骨ゲノム解析には多くの検討課題が存在していた．初年度と次年度を通して，これら１つ１つの検討課題に対するアプローチ方法の提案と検討を進めており，現在は実施段階に入っている．今後は順次サンプルの抽出・精製・濃縮・シークエンスを行い提案手法と構築した解析パイプラインを用いてミトコンドリアゲノム全塩基配列を取得する．この際にサンプルのコンタミネーションやダメージの評価，デコンタミネーション（混入配列の除去）を実施し，解析に用いるサンプルを選定する．特に状態の良いサンプル（コンタミネーションが少なく，内在性DNA量が多いサンプル）については核ゲノム情報の取得を試みる．集団遺伝学的解析を迅速かつ効率的に実施するため，公共データベース上のヒトゲノムデータや古人骨ゲノムデータは予めローカルサーバーにて管理し，統一したクオリティコントロールを実施する．分子系統学的類縁関係や集団の遺伝学的背景を調査するための分析手法と適用事例については情報収集を徹底し，有効な手法についてはパイプラインに採用する．
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Research Products
(7 results)
