2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規イオン液体ポリマーのジャイロイド構造の発現と金属ナノ材料の形態制御
Project/Area Number |
15J08703
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松本 拓郎 東京農工大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | zwitterion / イオン液体 / ブロック共重合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
Zwitterion(ZI)はカチオンとアニオンが共有結合で連結された有機塩である。これまでに、ZIに適切な金属塩を添加すると、ZIのカチオンと添加塩のアニオンがイオン液体様のイオンペアを形成し、均一な複合体が得られることを本研究室が報告している。このZIの特性をブロック共重合体に組み込み、相分離構造を発現させることができれば、金属ナノ材料の合成場や役割分担型高分子固体電解質の新たな設計指針に繋がると期待できる。そこで本研究では、ZIを成分とするブロック共重合体を適切にデザインし、ミクロ相分離構造を発現させることを目指した。 はじめに、アンモニウム型ZIとスチレンを成分とするブロック共重合体を合成した。得られたブロック共重合体は多くの溶媒に不溶であったが、水中でZIドメインをシェルに、スチレンドメインをコアとするコアシェル型ミセルを形成することが明らかになった。上記のミセル分散溶液に金属塩を添加し、コアシェル型ミセル構造を維持したまま、固体化させることができれば、金属イオンが精緻に組織化されたミクロ相分離構造が誘起されると期待された。そこで、ブロック共重合体の分散水溶液にZIユニットに対して当モル量のリチウム塩を添加し、基板上にキャスト、乾燥させてポリマー薄膜を得た。この薄膜について、X線回折測定や透過型電子顕微鏡観察を行ったところ、コアシェル型ミセルが凝集したミクロ相分離構造が誘起されたことを明らかにできた。続いて、示差走査熱量測定やイオン伝導度測定を用いて、系中のイオンの状態を評価した。その結果、ZIのカチオンと添加塩のアニオンがイオン液体様のイオンペアを形成していることが確認された。以上の検討から、ポリマー薄膜中で、ZIとリチウム塩は均一に複合化し、ミクロ相分離構造中に組織化されていることが明らかになった。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(4 results)