2016 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス型イオン結晶によるポストシンセシス法を用いた機能スイッチング
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15J09109
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川原 良介 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | salphen / Keggin型ポリ酸 / 不均一系酸触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
採用2年目では、Salphen骨格を有した[Al(Salphen)(H2O)2](NO3)とケギン型ヘテロポリ酸Na3[PW12O40]を用いることで[Al(Salphen)(H2O)2]3[PW12O40] (1)を合成し不均一系酸触媒としての機能を評価した(a)。Salphen配位子は骨格中心に様々な金属イオンを取り込むことによって触媒として働き、ポリ酸は触媒反応における代表的な中間体であるカルボカチオン中間体などを安定化させることが知られている。化合物1は三次元細孔を有しており、不均一系酸触媒として用いピナコール転位反応を行った結果、反応は速やかに進行し、生成物であるピナコロンが得られた。一方で原料であるAl Salphen錯体やポリ酸のみ、あるいは原料同士の物理混合で同様の反応を行った場合、反応はほとんど進行しなかった。この結果は、化合物1の構築素子であるAl Salphen錯体とポリ酸がシナジー効果をもたらすことに加え、化合物1の持つ多孔性が反応を円滑に進めているためだと考えられる。 上記の研究成果は研究計画書に記載した内容と関連性が少ない。一方で現在、当研究室では硫黄が中心元素であるケギン型ポリ酸を用いたポストシンセシス的機能スイッチングを試みている。硫黄中心のポリ酸は一般的に用いられるPやSiを中心としたポリ酸よりも優れた還元特性を持っているため、計画書に記載したような多電子還元による機能変化が可能であると考えた。実際、硫黄ポリ酸[SMo12O40]-2とCr錯体[Cr3O(OOCH)6(4-methylpyridine)3]+から多孔性イオン結晶(2)を合成し、酸化還元的ポストシンセシスに成功している。
(a) R. Kawahara et al., Dalton Trans., 2017, 46, 3105-3109.
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)